省愼たしなみ)” の例文
うりに參らんといましちより受出して來たる衣服いふくならび省愼たしなみの大小をたいし立派なる出立いでたちに支度なして居たる處へ同じ長家に居る彼張子かのはりこ釣鐘つりがね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
不時ふじ大騷動だいさうどうに、おどろ目醒めさめたる春枝夫人はるえふじんは、かゝる焦眉せうびきふにもその省愼たしなみわすれず、寢衣しんい常服じやうふく着更きかへてつために、いまやうや此處こゝまでたのである。るよりわたくし
領し物頭役ものがしらやく相勤あひつとめたる大橋文右衞門清長きよながいざ鎌倉かまくらと云ふ時のため武士の省愼たしなみ差替さしかへの大小具足ぐそくりやうぐらゐは所持致し居り候これ御覽ごらん候へと仕舞置しまひおきたる具足櫃ぐそくびつ并びに差替の大小を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
所持するははなはだ以て不審ふしんなり其道具は如何致して所持しよぢするやと申されしかばお政は平伏へいふくして恐れながら此道具と申はをつと文右衞門國元より持參致したる品々にて萬一舊主きうしゆ歸參仕きさんつかまつる事もありし時のため省愼たしなみおきし道具に御座候と申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)