“このみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コノミ
語句割合
19.1%
果実15.5%
此身12.7%
12.7%
嗜好8.2%
好尚6.4%
果實5.5%
木実5.5%
木實3.6%
1.8%
趣味1.8%
好嗜0.9%
山菓0.9%
所好0.9%
是身0.9%
果物0.9%
樹果0.9%
菓木0.9%
許斐0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これわたし竹馬ちくばとも久我くがぼう石橋いしばしとはおちやみづ師範学校しはんがくかう同窓どうそうであつたためわたし紹介せうかいしたのでしたが、の理由は第一わたしこのみおなじうするし
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
蓮太郎も一つ受取つて、秋の果実このみのにほひをいで見乍みながら、さて種々さま/″\な赤倉温泉の物語をした。越後の海岸まで旅したことを話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
いはれると以前もと不出來ふでかしをかんがしていよ/\かほがあげられぬ、なん此身このみになつて今更いまさらなにをおもふものか、めしがくへぬとてもれは身體からだ加減かげんであらう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
われは枝上のこのみに接吻して、又地に墜ちたるを拾ひ、まりの如くにもてあそびたり。友の云ふやう。げに伊太利はめでたき國なる哉。
アタシはとりわけご婦人のご案内をいたしますのに妙を得ていますんで、ご婦人のお嗜好このみなら、どんなことでもちゃんと承知しているつもりなんですヨ。
けれども時節柄じせつがら頓着とんじゃくなく、当人の好尚このみを示したこの一色ひといろが、敬太郎には何よりも際立きわだって見えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私の家では、生活くらしに要る物は大概は手造りにしました。野菜を貯へ、果實このみを貯へることなどは、殆んど年中行事のやうに成つて居ました。
一、四季の題目にて花木かぼく花草かそう木実このみ草実くさのみ等はその花実かじつもっとも多き時をもつて季と為すべし。藤花、牡丹ぼたんは春晩夏初を以て開く故に春晩夏初を以て季と為すべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
さて我子よ、かの大いなる流刑るけい原因もとは、木實このみあぢはへるその事ならで、たゞ分をえたることなり 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
うまこのみ新釀にひしぼり
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
貴殿方と話す代りに、貴殿方の腰の物を拝見しようとな。悪気からではない。わしの趣味このみからじゃ。そこでわしは貴殿方の腰の物をひとまとめにして持って参り、今までかかって鑑定いたした。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼の職業が私立探偵であり、彼の好嗜このみが旅行であるということは如何いかにも正当のことである……彼の旅行記の優れている点は観察の鋭いということである。勿論同時に正確でもある。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼らは人となり淳朴で、常に山菓このみを取って喰う。また蝦蟆かえるを煮て上味とする。そのくには京(応神天皇の都は高市郡の南部大軽の地)よりは東南、山を隔てて吉野河の河上に居る。
国栖の名義 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
夫の所好このみ白粉おしろいは濃いが、色は淡い。淡しとて、容色きりょうの劣る意味ではない。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木々に混って黄金色こがねいろの、果物このみがゆさゆさ実っているが、これとて日本の果物ではない。林から林、丘から丘と孔雀くじゃくや白鳩が飛び廻わってはいるがそれを捕らえようとする人もない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
埋もれし去歳こぞ樹果このみ
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
そも/\くま和獣わじうの王、たけくしてる。菓木このみ皮虫かはむしのるゐをしよくとして同類どうるゐけものくらはず、田圃たはたあらさず、まれあらすはしよくつきたる時也。
真夜なか、つたたけをこえて、野坂、許斐このみへ出る。——と、大宮司宗像氏重むなかたうじしげの一族の者がすでにそこまで出迎えていた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)