“このみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コノミ
語句割合
20.6%
果実14.4%
13.4%
此身11.3%
嗜好8.2%
好尚7.2%
木実6.2%
果實6.2%
木實3.1%
趣味2.1%
(他:7)7.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
己がこのみにまかせてなほ一の事を加へむ、思ふにわがことばたとひ約束の外にいづとも汝の喜びに變りはあらじ 一三六—一三八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼れ曰く、「艱難辞せずといえども、安楽もまたおのずかこのみに御坐候」と、これ実に彼が獄中の生涯を言い顕したるものなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
蓮太郎も一つ受取つて、秋の果実このみのにほひをいで見乍みながら、さて種々さま/″\な赤倉温泉の物語をした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すると今まで気が付かなかったが室の片隅のテーブルの上に、果実このみがうず高く積んであって椰子の実で拵えた椀の中に飲料水さえ盛ってある。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
【己が益なる】意志の銜(禁斷のこのみに就いて意志の上に神の加へ給ひし制限)に堪ふれば己が益なるを、しかせずして
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
雛芥子ひなげしくれないは、美人の屍より開いたと聞く。光堂は、ここに三個の英雄が結んだ金色こんじきこのみなのである。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それこそはしの夜半やはうれしいこと頂點ちゃうてん此身このみはこえんつな
こヽろそらになれどつち箒木はヽき面倒めんだうさ、此身このみりしもゆゑかは
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
アタシはとりわけご婦人のご案内をいたしますのに妙を得ていますんで、ご婦人のお嗜好このみなら、どんなことでもちゃんと承知しているつもりなんですヨ。
武家の堅苦しい娘などよりも、砕けた市井の女のほうが、わしの嗜好このみに一致する。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けれども時節柄じせつがら頓着とんじゃくなく、当人の好尚このみを示したこの一色ひといろが、敬太郎には何よりも際立きわだって見えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
椅子テーブルの如き家具類にしても相当に心を払い、クロース、食器、掛紙、紙袋等、何かしら私たちの気持を含ませ、自ずとそこには一つの好尚このみが現れている筈です。
飲み食いは時を定めず、好んで木実このみや栗を食うが、もっとも犬をたしなみ、啖い殺して血を吸うのである。
一、四季の題目にて花木かぼく花草かそう木実このみ草実くさのみ等はその花実かじつもっとも多き時をもつて季と為すべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
若しその由來を知らずば誰か信ぜん、果實このみと水のかをり、劇しき慾を生みて、かく力をあらはさんとは 三四—三六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
果實このみより、また青葉にかゝる飛沫みづけぶりよりいづる香氣かをり飮食のみくひの慾を我等のうちに燃やすなり 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さて我子よ、かの大いなる流刑るけい原因もとは、木實このみあぢはへるその事ならで、たゞ分をえたることなり 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
目をつぶつて考へてゐるやうなこの枝葉の蔭で、父は毎年粒立つた木實このみを仰ぎ見たのだ。義雄は若い時もさうであつたし、近年も亦さうであつた——
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
で、僕は腹の中で考へたね。此奴高等淫賣かなんかかな——と。處が女の著物の趣味このみから見ると、さうも思へないんだ。それに第一自分を考へて見ると、どう自惚れたつて、そんなものに見込みを著けられさうな御人體ぢやあないんだね。さうなると此方は少し弱味で、いささか薄氣味が惡くなつて來た。
S中尉の話 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
貴殿方と話す代りに、貴殿方の腰の物を拝見しようとな。悪気からではない。わしの趣味このみからじゃ。そこでわしは貴殿方の腰の物をひとまとめにして持って参り、今までかかって鑑定いたした。さあ見てくれといわぬばかりに投げ出してあった刀、四本のうち一本ぐらい、筋の通った銘刀ものがあるかと思ったところ、なかったぞ。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼らは人となり淳朴で、常に山菓このみを取って喰う。
国栖の名義 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
夫の所好このみ白粉おしろいは濃いが、色は淡い。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木々に混って黄金色こがねいろの、果物このみがゆさゆさ実っているが、これとて日本の果物ではない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
埋もれし去歳こぞ樹果このみ
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
うまこのみ新釀にひしぼり
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
真夜なか、つたたけをこえて、野坂、許斐このみへ出る。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)