“くだもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クダモノ
語句割合
果物58.3%
菓物18.3%
果実13.9%
5.2%
果實1.7%
0.9%
菓子0.9%
菓実0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
向ふに見えるはごゞ島で中央に高いのがごゞ島の小富士、果物くだものが名物にて年に二十万円の産額があるなど五月蠅うるさくつき纏つて離れない。
坊つちやん「遺蹟めぐり」 (新字旧仮名) / 岡本一平(著)
されど濃厚なるビステキにてひたと打ち切りてはかへつて物足らぬ故更に附物つけものとして趣味の変りたるサラダか珈琲コーヒー菓物くだものの類を出す。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
蓮太郎は又、東京の市場で売られる果実くだものなぞに比較して、この信濃路の柿の新しいこと、甘いことを賞めちぎつて話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
まけにそれを洒々落々しゃしゃらくらくたる態度で遣ってける。ある時ポルジイはプリュウンというくだものの干したのをぶら下げていた。
「甘いものそんなに好きぢやないの知つてるんだけれど、果實くだものは送らなくつたつてあるだらうし——」
あるとき (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
なんじらの穀物こくもつかるときには汝等なんじらその田野たはた隅々すみずみまでをことごとかるべからずまたなんじ穀物こくもつ遺穂おちぼひろうべからずまたなんじ菓樹園くだものばたけくだもの取尽とりつくすべからずまたなんじ菓樹園くだものばたけおちたるくだもの
聖家族 (新字新仮名) / 小山清(著)
此方こなたに入らせ給へとて、奥の方にいざなひ、酒菓子くだもの種々さまざま管待もてなしつつ、うれしきゑひごこちに、つひに枕をともにしてかたるとおもへば、夜明けて夢さめぬ。
雞の肉やがちょうの肉、魚、菓実くだもの、一樽の佳い酒まで買ってきて、それを自分の室へ並べて李幕事夫婦を呼びに往った。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)