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くだもの
ふりがな文庫
“
菓物
(
くだもの
)” の例文
此方
(
こちら
)
には葡萄棚もあり其の他
種々
(
いろ/\
)
な
菓物
(
くだもの
)
も作ってありまして、彼是一町
許
(
ばか
)
り入ると、屋根は
瓦葺
(
かわらぶき
)
だが至って風流な
家作
(
やづく
)
りがあります。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
されど濃厚なるビステキにてひたと打ち切りてはかへつて物足らぬ故更に
附物
(
つけもの
)
として趣味の変りたるサラダか
珈琲
(
コーヒー
)
菓物
(
くだもの
)
の類を出す。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
菓物
(
くだもの
)
のシロップを沢山
拵
(
こしら
)
えておいてそれを
湯冷
(
ゆざま
)
しの水へ
注
(
さ
)
して
壜
(
びん
)
へ入れて井戸の中か氷で冷しておけば美味しい飲料が何でも出来ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
菓物
(
くだもの
)
を盗んだといっては、追いかけて
捉
(
とら
)
えられて、路傍の門に細引きでくくり付けられ、あるいは長い
物干竿
(
ものほしざお
)
で、走る背なかを
撲
(
う
)
たれて
ネギ一束
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
女学生はかわるがわる茶を入れたり、
菓物
(
くだもの
)
を
階下
(
した
)
から持運んだりした。歩いて来た
故
(
せい
)
か、三吉ばかりは額から汗が出る。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
しばらくして男は「御前御菓子を食べるかい、
菓物
(
くだもの
)
にするかい」と女に聞いた。女は「どっちでも好いわ」と答えた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この家の老僕と、老女のいよが、酒の壺やギヤマンの杯や、
菓物
(
くだもの
)
の鉢を運んで来、それらを卓の上へ置き並べた。
燕(つばくろ)
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
白い大理石の
欄干
(
らんかん
)
の四隅には大きな
花鉢
(
ヴェース
)
が乗っかって、それに
菓物
(
くだもの
)
やら花がいっぱい盛り上げてあった。
夢
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「
異物
(
こともの
)
は喰はで、仏の御
撤下物
(
おろし
)
をのみ喰ふが、いと貴き事かな」と云ふ
気色
(
けしき
)
を見て、「
何
(
な
)
どか
異物
(
こともの
)
も
食
(
た
)
べざらん、それが候はねばこそ取り申し侍れ」と云へば、
菓物
(
くだもの
)
濫僧考補遺
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
ちょうど食後の
林檎
(
りんご
)
を
剥
(
む
)
きかけていた処、小刀を目八分に取って、皮をひょいと
雷干
(
かみなりぼし
)
に、
菓物
(
くだもの
)
を差上げて何か口早に云うと、青年が振返って、身を
捻
(
ね
)
じざまに、直ぐ近かった
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いろ/\の話の中に英人が薩摩湾に
碇泊
(
ていはく
)
中
菓物
(
くだもの
)
が欲しいと云うと、薩摩人が之を進上する風をしてその機に
乗
(
じょう
)
じて
斬込
(
きりこ
)
もうとして出来なかったと云うような
種々
(
しゅじゅ
)
様々な話がありますが
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今日の優秀な
菓物
(
くだもの
)
と比較にならぬのは明治の水菓子。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
いい形の
菓物
(
くだもの
)
だな。見るからおいしそうだ。
台湾の民芸について
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
パイには色々の種類があって
菓物
(
くだもの
)
も入れれば肉類も入れますし何でも中へ入れますがこうしたのがつまりパイというものです
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
煎餅
(
せんべい
)
二、三枚をかぢり、紅茶をコツプに半杯づつ二杯飲む。昼飯と夕飯との間に、
菓物
(
くだもの
)
を喰ふかあるいは茶を
啜
(
すす
)
り菓子を喰ふかするは常の事なり。
明治卅三年十月十五日記事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
菓物
(
くだもの
)
なども沢山に屋台の上に並べてあって、あの西瓜の弦月形に切ったやつを通りかかりの小僧が上からかぶりつくようにして食っていたことを想い起す。
日本橋附近
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
車中の退屈
凌
(
しの
)
ぎに、お種は窓から買取った
菓物
(
くだもの
)
を夫に勧めた。達雄はナイフを取出して、自分でその皮を
剥
(
む
)
こうとした。妙に彼の手は震えた。指からすこし血が流れた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
昔
(
むか
)
しタンタラスと云う人があった。わるい事をした
罰
(
ばち
)
で、
苛
(
ひど
)
い目に
逢
(
お
)
うたと書いてある。
身体
(
からだ
)
は肩深く水に
浸
(
ひた
)
っている。頭の上には
旨
(
うま
)
そうな
菓物
(
くだもの
)
が
累々
(
るいるい
)
と枝をたわわに
結実
(
な
)
っている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それだけは炭代や手数料として取ておおきになってもようございましょう。それとも外に
菓物
(
くだもの
)
位お添になっても二十銭の内で立派に出来ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
熱い国で出来る
菓物
(
くだもの
)
はバナナ、パインアツプルの如き皆肉が柔かでかつ熱帯臭いところがある。
柑橘
(
かんきつ
)
類でも熱い土地の産は肉も袋も総て柔かでかつ甘味が多い。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
遽然
(
にわかに
)
ザアと降って来た。三吉は天主台近くにある茶屋の二階へ客を案内した。広い座敷へ上って、そこで茶だの
菓物
(
くだもの
)
だのを取り寄せながら、一緒に降って来る雨を眺めた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
菓物
(
くだもの
)
ならば
林檎
(
りんご
)
や桃の皮と身との間に膠質が沢山あります。つまり膠質は血を濃くするもので局処の出血にゼラチンを注射する事もある位です。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
種夫の為に新宿の通りで吸入器を買って、それを家内が提げて帰ったが、丁度
菓物
(
くだもの
)
の変りめに成る頃で、医者の細君のところからは夏
蜜柑
(
みかん
)
を二つばかりお菊にくれてよこした。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
菓物
(
くだもの
)
は凡て熟するものであるから、それをくさるといったのである。大概の菓物はくだものに違いないが、栗、
椎
(
しい
)
の実、
胡桃
(
くるみ
)
、
団栗
(
どんぐり
)
などいうものは、くだものとはいえないだろう。
くだもの
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
脂肪分を食べるにも
程
(
ほど
)
があり、野菜を食べるにも程があり、
菓物
(
くだもの
)
を食べるにも程がありますから程という事を忘れないのが一番の養生法でしょう。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
(西瓜の皮は始めから終りまで青い)普通のくだものの皮は赤なら赤黄なら黄と一色であるが、
林檎
(
りんご
)
に至っては一個の
菓物
(
くだもの
)
の内に濃紅や淡紅や
樺
(
かば
)
や黄や緑や種々な色があって、色彩の美を極めて居る。
くだもの
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
第六十一
生葡萄
(
なまぶどう
)
同 これは生のまま直ぐ裏漉しにして一杯半入れます。この
外
(
ほか
)
何の
菓物
(
くだもの
)
を適宜に用いて構いません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
これもやっぱり化学作用の一つで肉を食べた後に
菓物
(
くだもの
)
を
喫
(
きっ
)
すると消化を助けるぜ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
○便秘者に
菓物
(
くだもの
)
野菜牛乳等を与うべし、煮たる杏は最も便通に功あり。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
先ず生の
菓物
(
くだもの
)
が四色、即ち芭蕉の実に
林檎
(
りんご
)
に
蜜柑
(
みかん
)
に
竜眼肉
(
りゅうがんにく
)
というようなもの、それから
乾
(
ほ
)
した菓物が四色、それから
西瓜
(
すいか
)
の種に
南瓜
(
かぼちゃ
)
の種松の
実
(
み
)
に
杏仁
(
きょうにん
)
といって
杏
(
あんず
)
の種とその四色を四
瓜子
(
かし
)
と申します。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
菓
常用漢字
中学
部首:⾋
11画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“菓物”で始まる語句
菓物屋
菓物類
菓物入
菓物帖