“柑橘”の読み方と例文
読み方割合
かんきつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
崖の上の柑橘かんきつ畑から淵を望むと、まどらかな眼を頭の上へちょこんとつけて、々として相戯れている鮎の群れは、夏でなければ求められない風景だ。
香魚の讃 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
熱い国で出来る菓物くだものはバナナ、パインアツプルの如き皆肉が柔かでかつ熱帯臭いところがある。柑橘かんきつ類でも熱い土地の産は肉も袋も総て柔かでかつ甘味が多い。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
柑橘かんきつの花はお化けであつた。自分の正体を隠して虫をよんでゐた。人は招かれないお客に相違なかつたが、その実は皆招かれないこのお客がもつていつてしまつた。
雑草雑語 (新字旧仮名) / 河井寛次郎(著)