“雷干”の読み方と例文
読み方割合
かみなりぼし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若い白瓜しろうりの心を抜き、青紫蘇あおじそを塩でんで詰めて押したのは、印籠漬いんろうづけといって喜ばれましたが、雷干かみなりぼし日向ひなた臭いといって好まれませんかった。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
ちょうど食後の林檎りんごきかけていた処、小刀を目八分に取って、皮をひょいと雷干かみなりぼしに、菓物くだものを差上げて何か口早に云うと、青年が振返って、身をじざまに、直ぐ近かった
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
百人一首の一人、中納言朝忠あさただ卿は干瓜を山のごとくに積んで、水漬けの飯をしたたかに食って人をおどろかしたと云うが、その干瓜というのは、かの雷干かみなりぼしのたぐいかも知れない。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)