“あかもん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
赤門70.0%
朱門10.0%
菓物10.0%
果物10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
学校の昼の休みに赤門あかもん前の友の下宿の二階にねころんで、風のない小春日の温かさをむさぼるのがあの頃の自分には一つの日課のようになっていた。
雪ちゃん (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ハッと思ってふり向くとたんに、おかのいただきにある南面の朱門あかもんが、魔王まおうの口を開いたように、ギーイと八文字にしひらかれた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふわりとわしを地へわせて、南蛮寺なんばんじ朱門あかもんへおりた蛾次郎がじろう。あッちこッちを見まわしていたが、やがて、てんおかの松林をおくふかくはいってしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこは銭湯の隣の菓物あかもん屋の奥座敷で、中風で寝ているお爺がきょとんとした顔であと見送っていた。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
叱られているのではなかったのかと、ほっとすると、順平は媚びた笑いをきいろい顔に一杯浮べて、菓物あかもん屋のお爺がぼんぼんは何処さんの子供衆や、学校何年やときいたなどとにわかに饒舌になった。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
果物屋は良え商売やなあとふと思うと、もう居ても立っても居られず、柳吉が稽古から帰って来ると、早速「果物あかもん屋をやれへんか」と相談した。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)