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くわぶつ
絶えず
其邊の
航路を
徘徊し、
時には
遠く
大西洋の
沿岸までも
船を
乘出して、
非常に
貴重な
貨物を
搭載した
船と
見ると、
忽ち
之を
撃沈して、
惡む
可き
慾を
逞ましうして
居るとの
話。
海賊共は
如何にして
探知するものかは
知らぬが
其覬ひ
定める
船は、
常に
第一
等の
貴重貨物を
搭載して
居る
船に
限る
代りに、
滅多に
其形を
現はさぬ
爲と、
今一つには
此海賊輩は
何時の
頃よりか
何も
出ない。——
出ないけれど
面白い。
疲勞しては
天幕に
入り、
菓物を
食ひ、サイダを
飮む。
勢ひを
得ては
又掘りに
掛るが、
甚だしく
何も
出て
來ない。