果實このみ)” の例文
新字:果実
是に於てか彼かうべを振りて、我等此方こなたに止まるべきや如何いかにといひ、恰も一の果實このみに負くる稚兒をさなごにむかふ人の如くにほゝゑみぬ 四三—四五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
私の家では、生活くらしに要る物は大概は手造りにしました。野菜を貯へ、果實このみを貯へることなどは、殆んど年中行事のやうに成つて居ました。
私が果實このみむしり、自分はパン粉をねながら、彼女はくなつた主人や、主婦や、また彼女が「お子たち」と呼んでゐる若い人たちのことを細々と話すのであつた。
果實このみとるひとが忘れてゆきたる
忘れたるにあらねども (旧字旧仮名) / サッフォ(著)
にたかき果實このみ、びやくだん——
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
若しその由來を知らずば誰か信ぜん、果實このみと水のかをり、劇しき慾を生みて、かく力をあらはさんとは 三四—三六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「私は自分で遣つて來たのです。そしてこれからも一人で暮して行く積りなのです。それはさうと、このグウスベリはどうなさるの?」私は彼女がその果實このみを入れた籠を持ち出したときさういた。
果實このみより、また青葉にかゝる飛沫みづけぶりよりいづる香氣かをり飮食のみくひの慾を我等のうちに燃やすなり 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝ熟して結べる唯一たゞひとつ果實このみよ、あゝ新婦はなよめといふ新婦をむすめ子婦よめつ昔の父よ 九一—九三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)