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果
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このみ
ふりがな文庫
“
果
(
このみ
)” の例文
人は皆
隠
(
かく
)
れてエデンの
果
(
このみ
)
を
食
(
くら
)
って、人前では是を語ることさえ
恥
(
はず
)
る。私の様に斯うして之を筆にして憚らぬのは余程力むから出来るのだ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
われは枝上の
果
(
このみ
)
に接吻して、又地に墜ちたるを拾ひ、
毬
(
まり
)
の如くに
玩
(
もてあそ
)
びたり。友の云ふやう。げに伊太利はめでたき國なる哉。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
崕
(
がけ
)
の
溝端
(
どぶばた
)
に
真俯向
(
まうつむ
)
けになって、生れてはじめて、許されない禁断の
果
(
このみ
)
を、相馬の名に負う、轡をガリリと頬張る思いで、馬の口にかぶりついた。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
忽然
(
こつねん
)
として其初一人来りし此裟婆に、今は
孑然
(
げつぜん
)
として一人立つ。待つは機の熟して
果
(
このみ
)
の落つる我が
命終
(
みやうじゆう
)
の時のみなり。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
……天地
開闢
(
かいびゃく
)
の始め、イーブに智慧の
果
(
このみ
)
を喰わせたサタンの蛇が、更に、そのアダム、イーブの子孫を呪うべく、人間の頭蓋骨の空洞に忍び込んで
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
〔己が益なる〕意志の銜(禁斷の
果
(
このみ
)
に就いて意志の上に神の加へ給ひし制限)に堪ふれば己が益なるを、しかせずして
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
今井は、かねてから京子の美しさに心をひかれていたが、妻があったときは、遊び人たる彼もそれを禁断の
果
(
このみ
)
だと思っていた。今では必ずしも、そうでない。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
だが果物畑といふものは、今の樣に
果
(
このみ
)
が一つもない時候になつたつて、また今夜のやうに樹の姿がそれとしか闇のなかに見えなくなつて、すがすがしい氣持がするものだ。
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
禁斷の
果
(
このみ
)
の味を想像する事も出來るやうになり、自分が如何にして、何處から生れて來たかも了解するやうになり、先生にも父親にも、其の行爲のある事を承認したが、それでも未だ
貝殻追放:016 女人崇拝
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
人間の樹の
中央
(
まんなか
)
につけた
性
(
せい
)
の
果
(
このみ
)
を
蔽
(
おほ
)
ふのは
南洋館
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
熟
(
つ
)
えて落ちたる
果
(
このみ
)
かと、
噫
(
ああ
)
見
(
み
)
よ、空に
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
摘まぬ
間
(
ま
)
に腐る
果
(
このみ
)
でも、日毎に若葉の
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
夏の圖を見れば、童ども樹々のめぐりを飛びかひて、枝もたわゝに實りたる
果
(
このみ
)
を摘みとり、又清き流を泳ぎて、水を
弄
(
もてあそ
)
びたり。秋は獵の興を寫せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
雛芥子
(
ひなげし
)
の
紅
(
くれない
)
は、美人の屍より開いたと聞く。光堂は、ここに三個の英雄が結んだ
金色
(
こんじき
)
の
果
(
このみ
)
なのである。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わたしの今の時期はああ、その
果
(
このみ
)
を
眞茂
(
ましげ
)
る葉から日にさしのばす初夏の時期
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
かゝるとき、母上は杖の
尖
(
さき
)
にて窓硝子を淨め、なんぢ井に墜ちて溺れだにせずば、この窓に當りたる木々の枝には、汝が食ふべき
果
(
このみ
)
おほく熟すべしとのたまひき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
自然は私に教へた、わたしの心は青く
硬
(
かた
)
い
果
(
このみ
)
のやうであることを。
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
殘りのものに何時知らず孕みし
果
(
このみ
)
……
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
果
常用漢字
小4
部首:⽊
8画
“果”を含む語句
効果
結果
果物
無花果
果實
因果
果実
相果
效果
果然
果報
朽果
果敢
果合
仏果
成果
倦果
無花果樹
其果
苹果
...