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しゆみ
此深山を
少しばかり
迂回して
皈つたとて、
左程遲くもなるまい、また
極めて
趣味ある
事だらうと
考へたので、
私は
發議した。
が、
孰かと
云へば、
愛嬌もある、
気も
利く、
画の
趣味も
私が
莫迦にする
程でもない。
此と
云ふ
長所も
面白味もないが、
気質は
如何にも
丸く
出来てゐる。
も
欺き
負すべけれども
爰に一ツの
難儀といふは
師匠の口から彼者は
幼年の内
斯樣々々にて某し
養育せし者なりと云るゝ時は
折角の
巧も急ち
破るゝに相違なし七歳より十二歳まで六ヶ年が
其間養育の恩は
須彌よりも高く
滄海よりも深しと雖ども
我大望には
替難し此上は是非に及ばず
不便ながらも師匠の感應院を