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四邊
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しへん
其下は
疑もなき
大洞窟で、
逆浪怒濤が
隙間もなく
四邊に
打寄するに
拘らず、
洞窟の
中は
極めて
靜謐な
樣子で、
吾等の
歩む
毎に、
其跫音はボーン、ボーン、と
物凄く
響き
渡つた。
廣さは
直徑三十ヤード
位、
深さは
僅か一
丈にも
足らぬ
程だから、
鐵檻車の
屋根へ
上つたら、
或は
穴の
外へ
飛出す
事も
出來るやうだが、
前にも
云つた
樣に
擂盆の
形をなした
穴の
四邊は
實に
細微なる
砂で