詩篇しへん)” の例文
友人達と郊外を散歩して旗亭に休んだ時、棚の上のシェークスピア全集の中から詩篇しへんを抜き出して、「僕は今すばらしい楽想が浮んだが五線紙がないかなア」
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
あるいは東、あるいは西といえば如何いかにも両者の間に懸隔けんかくあるようにきこゆる。文章家はかくの如き文字を用いて相容あいいれざるを示す。かの有名な詩篇しへんの内にも西と東のへだたる如く云々うんぬんとある。
東西相触れて (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
エベソびとに贈れるふみは汝を自由と呼び、ベーラク書は汝を無限と呼び、詩篇しへんは汝を知恵および真理と呼び、ヨハネは汝を光と呼び、列王記は汝を主と呼び、出埃及記しゅつエジプトきは汝を天と呼び、レヴィ記は聖と
詩篇しへんを出して、大声に第六十五篇を朗詠ろうえいする。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)