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周囲
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ぐるり
ふりがな文庫
“
周囲
(
ぐるり
)” の例文
旧字:
周圍
で、もう逃げて居らんのかと思うとまたくるくると廻って自分の近くに来て居る。いつまでもくるくる人の
周囲
(
ぐるり
)
を廻って見て居るです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そりゃ御父さんの三十もおれの三十も
年歯
(
とし
)
に変りはないかも知れないが、
周囲
(
ぐるり
)
はまるで違っているんだからそうは行かないさ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
半分開いた眼が
硝子
(
ビイドロ
)
のゴト光って、頬ベタが古新聞のゴト折れ曲って、唇の
周囲
(
ぐるり
)
が青黒う
変
(
な
)
って、水を遣っても口を塞ぎます。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と法水が、聖像の
周囲
(
ぐるり
)
にある雪を払い
退
(
の
)
けると、鍛鉄の十字架から浮び上った痛ましい全身には、みるみる不思議な変化が現われていった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
雷神山の急昇りな坂を
上
(
あが
)
って、
一畝
(
ひとうね
)
り、町裏の路地の隅、およそ
礫川
(
こいしかわ
)
の
工廠
(
こうしょう
)
ぐらいは
空地
(
くうち
)
を取って、
周囲
(
ぐるり
)
はまだも広かろう。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
まずクック氏は、蛇類は建築物や著しき廃址に寓し、
池
(
いけ
)
壁
(
かべ
)
樹
(
き
)
の
周囲
(
ぐるり
)
を
這
(
は
)
い、不思議に地下へ消え去るので、鳥獣と別段に気味悪く人の注意を
惹
(
ひ
)
いた。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
白い
長上衣
(
スヰートカ
)
を著た若者は、自分の荷馬車の傍に坐つたまま、がやがやとざわめく
周囲
(
ぐるり
)
の人波をぼんやり眺めてゐた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
周囲
(
ぐるり
)
には
程
(
ほど
)
よく
樹木
(
じゅもく
)
が
生
(
は
)
えて、
丁度
(
ちょうど
)
置石
(
おきいし
)
のように
自然石
(
じねんせき
)
があちこちにあしらってあり、そして一
面
(
めん
)
にふさふさした
青苔
(
あおごけ
)
がぎっしり
敷
(
し
)
きつめられて
居
(
い
)
るのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それは幼い
雛妓
(
おしやく
)
を
招
(
よ
)
んで遊ぶ事で、枯れかけた松の
周囲
(
ぐるり
)
に、小松を植ゑると、枯松までが急に若返へるやうに、訥子はかうして
妓
(
をんな
)
の若さを自分の
有
(
もの
)
にしてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
肉が
無慙
(
むざん
)
にはぜておりますが不思議なことに、竹光を突っ立てた傷の
周囲
(
ぐるり
)
に、二ヶ所ほど、別の軽い傷があって、それは、洗ってみると、血がにじんだ様子もありません。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「マッチはないかね。このパイプはほんとにマッチ喰いだ」マシュースは然う云いながらも
周囲
(
ぐるり
)
の物に鋭く眼を働かせていた。そしてスパイダーが渋々差出したマッチを受取ると
赤い手
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
塀で構われた小さな馬場を思わせる空地の
周囲
(
ぐるり
)
の桜の木々が一時に満開して、そこへ町家の人たちが
緋毛氈
(
ひもうせん
)
を敷き、重詰めを開き、ちろりのお酒をお燗して、三味線を弾いてさんざめいた。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
俺の足の下には
大地
(
だいち
)
がある。俺の爪先は、日々夜々に地心へと向うて入って行く。俺の
周囲
(
ぐるり
)
には空気と空間とがある。俺は此周囲に向うて日々夜々に広がって行く。俺の仕事は此だ。此が俺の仕事だ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
あいつは昨夜ジナイーダが結婚すると云う噂に亢奮して、
終夜
(
よっぴて
)
この
周囲
(
ぐるり
)
を
彷徨
(
うろつ
)
き歩いていたと云うのだがね。しかし、あの男は犯人じゃない。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
私の
周囲
(
ぐるり
)
を取り
捲
(
ま
)
いている青年の顔を見ると、
世帯染
(
しょたいじ
)
みたものは一人もいません。みんな自由です、そうして
悉
(
ことごと
)
く単独らしく思われたのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
周囲
(
ぐるり
)
は五、六尺高さの石塀で、入口の門はシナ風の優美なる門です。その中へみな集まってお経を読む。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
と
親仁
(
おやじ
)
がその時物語って、ご坊は、
孤家
(
ひとつや
)
の
周囲
(
ぐるり
)
で、猿を見たろう、
蟇
(
ひき
)
を見たろう、
蝙蝠
(
こうもり
)
を見たであろう、
兎
(
うさぎ
)
も蛇も皆嬢様に谷川の水を浴びせられて
畜生
(
ちくしょう
)
にされたる
輩
(
やから
)
!
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
最初、
唇
(
くち
)
の
周囲
(
ぐるり
)
がムズ痒いような気持で、サテは
少
(
ちっ
)
と中毒ったかナ……と思ううちに指の
尖端
(
さき
)
から不自由になって来ます。立とうにも腰が抜けているし、物云おうにも声が出ん。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
不図
(
ふと
)
気
(
き
)
がついて
見
(
み
)
ると、
向
(
むか
)
うの
崖
(
がけ
)
を
少
(
すこ
)
し
削
(
けず
)
った
所
(
ところ
)
に
白木造
(
しらきづく
)
りのお
宮
(
みや
)
が
木葉隠
(
このはがく
)
れに
見
(
み
)
えました。
大
(
おおき
)
さは
約
(
やく
)
二
間
(
けん
)
四
方
(
ほう
)
、
屋根
(
やね
)
は
厚
(
あつ
)
い
杉皮葺
(
すぎかわぶき
)
、
前面
(
ぜんめん
)
は
石
(
いし
)
の
階段
(
かいだん
)
、
周囲
(
ぐるり
)
は
濡椽
(
ぬれえん
)
になって
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
周囲
(
ぐるり
)
の団子雲を見ていると、いつとなく(私は揺する、感じる、私は揺する)の、甘い詩の
橙
(
オレンジ
)
が思い出されてきて、心に明るい
燦爛
(
プントハイト
)
が輝くのだ。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
余はただ
仰向
(
あおむ
)
けに寝て、わずかな
呼吸
(
いき
)
をあえてしながら、
怖
(
こわ
)
い世間を遠くに見た。病気が床の
周囲
(
ぐるり
)
を
屏風
(
びょうぶ
)
のように取り巻いて、寒い心を暖かにした。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
親仁
(
おやぢ
)
が
其時
(
そのとき
)
物語
(
ものがた
)
つて、
御坊
(
ごばう
)
は、
孤家
(
ひとつや
)
の
周囲
(
ぐるり
)
で、
猿
(
さる
)
を
見
(
み
)
たらう、
蟇
(
ひき
)
を
見
(
み
)
たらう、
蝙蝠
(
かうもり
)
を
見
(
み
)
たであらう、
兎
(
うさぎ
)
も
蛇
(
へび
)
も
皆
(
みんな
)
嬢様
(
ぢやうさま
)
に
谷川
(
たにがは
)
の
水
(
みづ
)
を
浴
(
あ
)
びせられて、
畜生
(
ちくしやう
)
にされたる
輩
(
やから
)
!
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すると、その凹んだ痕の
周囲
(
ぐるり
)
には、まるで赤ぼうふらみたいな細い血の管が、すうっと現れては走り消えて行くのさ。
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
夜
(
よ
)
になると、雨でも、風でも、稲葉屋の
周囲
(
ぐるり
)
を、
胡乱
(
うろ
)
つき廻って、稲荷さんの空地に
蹲
(
しゃが
)
んでもいりゃ、突当りの黒塀に
附着
(
くッつ
)
いて
立明
(
たちあか
)
す……そうして声を聞く、もの音を考えるですだい。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その喪車の
周囲
(
ぐるり
)
に垂れた黒い幕が揺れるたびに、
白綸子
(
しろりんず
)
の
覆
(
おい
)
をした小さな棺の上に飾った花環がちらちら見えた。そこいらに遊んでいた子供が
駆
(
か
)
け寄って来て、珍らしそうに車を
覗
(
のぞ
)
き込んだ。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何故かと申しますなら、あの
周囲
(
ぐるり
)
にある
七葉樹
(
とち
)
の茂みの中には、電鈴を鳴らす
開閉器
(
スイッチ
)
が隠されているからでございます。するとどうでございましたろう。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
嚔
(
くしゃみ
)
もならず、苦り切って
衝立
(
つッた
)
っておりますると、蝙蝠は翼を返して、
斜
(
ななめ
)
に低う夜着の
綴糸
(
とじいと
)
も震うばかり、何も知らないですやすやと寐ている、お雪の寝姿の
周囲
(
ぐるり
)
をば、ぐるり、ぐるり、ぐるりと三度。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それより、一体どこに推定の根拠があるのか?——法水の意外な言葉に、
周囲
(
ぐるり
)
の人々はいっせいに驚かされた。が、ジナイーダだけは水のように静かだった。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そして、
樫
(
かし
)
と角石とで包まれた沈鬱な死の室の
周囲
(
ぐるり
)
へ、それが渦のように揺ぎ拡がってゆくのだった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
と
周囲
(
ぐるり
)
を嘲るように云い放ったとき、検事はその言葉の魅力に、思わずも引き入れられてしまった。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その
側
(
かたわら
)
に、妙な
籠
(
かご
)
のようなものを背負った妻の滝人、次男である白痴の
喜惣
(
きそう
)
、妹娘の時江——と以上の五人を中心に取り囲み、さらにその
周囲
(
ぐるり
)
を、真黒な密集が
蠢
(
うごめ
)
いていたのである。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その時は、原因が
周囲
(
ぐるり
)
にあったのではなく、今度は小式部の眼の中にあったのです。と申しますのは、何度も逆かさ吊りになると、
視軸
(
めのなか
)
が混乱して、
視界
(
あたり
)
が薄暗くなって来るのです。
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
海霧
(
ガス
)
が
扉
(
ドア
)
の隙からもくもく入り込んで来て、二人の
周囲
(
ぐるり
)
を
烟
(
けむり
)
のように
靡
(
なび
)
きはじめた。が、それを聴くと、法水は突然坐り直したが、すると頭上の霧が、
漏斗
(
じょうご
)
のように渦巻いて行くのだ。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
然し、その日のように雛段が飾られて、紅白に染め分けられた雪洞の灯が、朧ろな裾を引き始めて来ると、そこにはまた別種の鬼気が——今度は、お筆の
周囲
(
ぐるり
)
から立ち上って来るのだった。
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
“周囲(
周辺
)”の解説
世界システム論で周辺(しゅうへん)、周囲(しゅうい)は、資本が乏しく、技術力も劣る発展途上国・地域をいう。世界システム論の提唱者ウォーラーステインは、周辺は中核の国(先進国)や地域に対し、不利な条件で、原料や食糧を供給させられ、貧困から抜け出せないとした。しかし、BRICsのようにまれに周辺から中核への上昇、またはその逆もある。
(出典:Wikipedia)
周
常用漢字
小4
部首:⼝
8画
囲
常用漢字
小5
部首:⼞
7画
“周囲”で始まる語句
周囲形