周圍ぐるり)” の例文
新字:周囲
其の影はカツキリと長く流に映ツてゐた。兩岸の家や藏の白堊はくあは、片一方は薄暗く片一方はパツと輝いて、周圍ぐるりの山は大方雪をかぶツてゐた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
と言ひつゝ、藤の蔓を取り、少し飛び上りては周圍ぐるりの樹に开を纏ひつかせ、又下りては又他の蔓を持ち上り、开を鄰の樹に纏ひつかせなどす。
花枕 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
一隊いつたい三十有餘名いうよめい三年さんねん以來いらい馴染なじみ水兵等すいへいらは、わかれをしまんとて、輕氣球けいきゝゆう周圍ぐるり取卷とりまいたが、たれ一言いちごんはつするものい、なかには感慨かんがいきはまつて、なみだながしたものもあつた。
かれはさうしてふたゝびきよろ/\と周圍ぐるりた。勘次かんじいくつかの小山こやまかたちづくつたはひわら粟幹あはがらでしつかとふたをした。かれはそれをはたさうとしたので、あめたせぬ工夫くふうである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)