“立所”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たちどころ90.3%
たちど9.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
重く血を満した凡ての果実が、黄いろい月、そのふくよかな光のうちに膨らむ。月が動き、凡ての泉が輝き、荘厳そうごんの大諧調立所たちどころに目をさます。
だが、叫ぼうものなら、逃げ出そうものなら、立所たちどころに身の破滅だ。彼女は歯を食いしばって、我慢しなければならなかった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「いつのまにやら目の前を霞が一ぱい立ちこめましたようで、筆の立所たちどもわかりませず、たいへん見苦しい字になったようでございますけれど——」
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「フム学問々々とお言いだけれども、立身出世すればこそ学問だ。居所いど立所たちど迷惑まごつくようじゃア、ちっとばかし書物ほんが読めたッてねっから難有味ありがたみがない」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)