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立所
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たちどころ
ふりがな文庫
“
立所
(
たちどころ
)” の例文
重く血を満した凡ての果実が、黄いろい月、そのふくよかな光のうちに膨らむ。月が動き、凡ての泉が輝き、
荘厳
(
そうごん
)
の大諧調
立所
(
たちどころ
)
に目をさます。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
だが、叫ぼうものなら、逃げ出そうものなら、
立所
(
たちどころ
)
に身の破滅だ。彼女は歯を食いしばって、我慢しなければならなかった。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
田舍
(
ゐなか
)
づくりの
籠花活
(
かごはないけ
)
に、
一寸
(
いつすん
)
(たつた)も
見
(
み
)
える。
内々
(
ない/\
)
一聲
(
ひとこゑ
)
ほとゝぎすでも
聞
(
き
)
けようと
思
(
おも
)
ふと、
何
(
ど
)
うして……いとが
鳴
(
な
)
ると
立所
(
たちどころ
)
に
銀座
(
ぎんざ
)
の
柳
(
やなぎ
)
である。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
凡
(
およ
)
そ裁判には、
寸毫
(
すんごう
)
の私をも挟んではならぬ。西方を拝するのは、
愛宕
(
あたご
)
の神を驚かし奉って、私心
萌
(
きざ
)
さば
立所
(
たちどころ
)
に神罰を受けんことを誓うのである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
竹の根を食う鼠で土穴中におり、大きさ兎のごとし、人多くこれを食う。味鴨肉のごとし、
竹刺
(
ちくし
)
、人の肉に入りて出ざる時これを食えば
立所
(
たちどころ
)
に消ゆる。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
愛
(
あい
)
ちやんは
立所
(
たちどころ
)
に
屹度
(
きつと
)
兎
(
うさぎ
)
が
扇子
(
せんす
)
と
白
(
しろ
)
い
山羊仔皮
(
キツド
)
の
手套
(
てぶくろ
)
とを
探
(
さが
)
して
居
(
ゐ
)
るに
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おも
)
つて、
深切
(
しんせつ
)
にも
其
(
そ
)
れを
尋
(
たづ
)
ねてやりましたが、
何處
(
どこ
)
にも
見
(
み
)
えませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
それは
神木
(
しんぼく
)
である
御蔭
(
おかげ
)
じゃ。
俺
(
わし
)
の
外
(
ほか
)
にこの
銀杏
(
いちょう
)
には
神様
(
かみさま
)
の
御眷族
(
ごけんぞく
)
が
多数
(
おおぜい
)
附
(
つ
)
いて
居
(
お
)
られる。
若
(
も
)
しいささかでもこれに
暴行
(
ぼうこう
)
を
加
(
くわ
)
えようものなら、
立所
(
たちどころ
)
に
神罰
(
しんばつ
)
が
降
(
くだ
)
るであろう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
世の人若し来つて、我等は理想の妻として如何なるものか撰むべき、と問ふものあらば、我
立所
(
たちどころ
)
に答へて云はむ、其標準たるべきもの此四畳半に二あり、一は乃ちこの古帽なり。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
……高ぶる者を見てこれを
悉
(
ことごと
)
く
鞠
(
かが
)
ませ、また悪人を
立所
(
たちどころ
)
に
践
(
ふ
)
みつけ、これを
塵
(
ちり
)
の中に埋めこれが
面
(
かお
)
を隠れたる処に閉じこめよ、さらば我も汝を
讃
(
ほ
)
めて汝の右の手汝を救い得るとせん。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
像材
(
ざうざい
)
椿なるをもつて此地椿を
薪
(
たきゞ
)
とすればかならず
祟
(
たゝり
)
あり、ゆゑに椿を
植
(
うゑ
)
ず。又
尊灵
(
そんれい
)
鳥を
捕
(
とる
)
を
忌
(
いみ
)
玉ふ、ゆゑに諸鳥寺内に
群
(
ぐん
)
をなして人を
怖
(
おそれ
)
ず、此地の人鳥を捕かあるひは
喰
(
くらへ
)
ば
立所
(
たちどころ
)
に
神罰
(
しんばつ
)
あり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
失敗
(
しくじ
)
ったかな、
此奴
(
こいつ
)
?」と、ときにそう感じられることがあっても、起きぬけにすぐ熱い湯に入り、ぐッと一つそのあとで熱い奴さえ引ッかければ、
立所
(
たちどころ
)
に、奇妙な位立所にケロリとした。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
空気銃を持つて出かければ
立所
(
たちどころ
)
に山の産物を持つて帰るし……これは
戯談
(
じようだん
)
でなく、僕はほんとうにこの村でならこの儘で四五人の家族を養つて暮せる自信がついたな——米と酒だけ何うにかすれば
村のストア派
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
奔放自在なる生命の真実性そのものの表現を渇望する心……すなわち溢るるばかりの好奇心に輝く
眼
(
まなこ
)
を以て、吾輩の
畢生
(
ひっせい
)
の研究事業たる「心理遺伝」の実験を見られると、
立所
(
たちどころ
)
にこれを理解された。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は何が何やら判らなくなった。
恰度
(
ちょうど
)
お
伽噺
(
とぎばなし
)
の中にある様に、魔法使いのお蔭で何でも欲しいと思うものが、
立所
(
たちどころ
)
に湧いて出ると云うような趣だった。然し彼はいつまでも茫然としていられなかった。
琥珀のパイプ
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
官の手を待たずして此の文治郎が
立所
(
たちどころ
)
に
打殺
(
うちころ
)
すが、
汝
(
われ
)
は親兄弟もあるだろうが、これ
手前
(
てまえ
)
の
親達
(
おやたち
)
は左様な悪人に産み付けはせまい、どうか良い心掛けにしたい、善人にしたいと
丹誠
(
たんせい
)
して育てたろうが
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
御意
(
ぎょい
)
あらば
立所
(
たちどころ
)
に
召寄
(
めしよ
)
すべし
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この場合、子供という観念は全く盲点によって隠されてしまっていたのです。だが、一度子供というものに気づくと、花瓶の謎は
立所
(
たちどころ
)
に解決する。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
立所
(
たちどころ
)
に
影
(
かげ
)
を
啖
(
くら
)
ふ、
啖
(
く
)
はるれば、それまでぢや、
生命
(
いのち
)
にも
及
(
およ
)
びかねぬ。
必
(
かなら
)
ず
此
(
こ
)
の
坂
(
さか
)
を
通
(
とほ
)
らるゝな……
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
像材
(
ざうざい
)
椿なるをもつて此地椿を
薪
(
たきゞ
)
とすればかならず
祟
(
たゝり
)
あり、ゆゑに椿を
植
(
うゑ
)
ず。又
尊灵
(
そんれい
)
鳥を
捕
(
とる
)
を
忌
(
いみ
)
玉ふ、ゆゑに諸鳥寺内に
群
(
ぐん
)
をなして人を
怖
(
おそれ
)
ず、此地の人鳥を捕かあるひは
喰
(
くらへ
)
ば
立所
(
たちどころ
)
に
神罰
(
しんばつ
)
あり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その気に染まる人また
立所
(
たちどころ
)
に命を
殞
(
おと
)
さざるなし、道南鼠死行一篇を賦し、奇険怪偉、集中の冠たり、数日ならざるに道南またすなわち怪鼠病で死んだも奇だとある。確かに鼠がペストを伝えたのだ。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この疑問は
立所
(
たちどころ
)
に氷解する筈である。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
し
御意
(
ぎよい
)
あらば
立所
(
たちどころ
)
に
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
私達は事件発見者としてそれにも立合うことが出来ましたが、老巧な刑事の一人は、板の間のしみを見ますと
立所
(
たちどころ
)
に血痕に相違ないと鑑定しました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
漸
(
やつ
)
と
一
(
ひと
)
どんぶり、それでも
我慢
(
がまん
)
に
平
(
たひら
)
げて、「うれしい、お
見事
(
みごと
)
。」と
賞
(
ほ
)
められたが、
歸途
(
かへり
)
に
路
(
みち
)
が
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つて、
溝端
(
どぶばた
)
へ
出
(
で
)
るが
否
(
いな
)
や、げツといつて、
現實
(
げんじつ
)
立所
(
たちどころ
)
に
暴露
(
ばくろ
)
におよんだ。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
日本娘の不二子さんは、捕われて
生恥
(
いきはじ
)
を
曝
(
さら
)
さんよりは、危急の場合、この毒嚢の一噛みで、
立所
(
たちどころ
)
に命を失うことを、どんなに願っていたかしれない。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
此
(
こ
)
の
勢
(
いきほひ
)
に
乘
(
じよう
)
じて、
立所
(
たちどころ
)
に
一國一城
(
いつこくいちじやう
)
の
主
(
あるじ
)
と
志
(
こゝろざ
)
して
狙
(
ねらひ
)
をつけたのは、あらう
事
(
こと
)
か、
用人
(
ようにん
)
團右衞門
(
だんゑもん
)
の
御新姐
(
ごしんぞ
)
、おくみと
云
(
い
)
ふ
年
(
とし
)
は
漸
(
やうや
)
う
二十
(
はたち
)
と
聞
(
き
)
く、
如何
(
いか
)
にも、
一國一城
(
いつこくいちじやう
)
に
較
(
たぐ
)
へつべき
至
(
いた
)
つて
美
(
うつく
)
しいのであつた。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(その
時分外
(
ほか
)
に若い男のお客なぞはなく、
殆
(
ほとん
)
ど子供と女ばかりだったので、附文の主は
立所
(
たちどころ
)
に分る筈だ)
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
悪魔そのものがひそんででもいない限り、一目この姿を見たならば、
立所
(
たちどころ
)
に
悔悟
(
かいご
)
自白すべき筈である。
お勢登場
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
すると、今チクリと刺した蠍のとげには、
立所
(
たちどころ
)
に人命を奪う猛毒が塗られていたのではないか。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
魔術師は
看客
(
かんきゃく
)
の目の前で生きた女を胴切りにしたり、箱詰めの
小女
(
こおんな
)
を
剣
(
つるぎ
)
の
芋刺
(
いもざ
)
しにしたり、彼女を殺害して鮮血したたる生首を転がして見せたり、
或
(
あるい
)
は
立所
(
たちどころ
)
に人を眠らせ、自由自在の暗示を与え
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立出
立竦
立籠
立塞