たぐ)” の例文
たぐり出すようにしながら、ともかくも首尾を通して説明することが出来るようになって来た。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
大膳は女の後姿に見惚みとれながら、じつと手綱をたぐつてゐたが、暫くして四辺あたりを見ると、今通りかゝつてゐるのは、ついぞ見も知らぬ町で、友達のうちとは反対の方角だつた。
そこからたぐれる一つのいとぐちもないもののやうに
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)