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類
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たぐ
ふりがな文庫
“
類
(
たぐ
)” の例文
そして今にあれで地球磁気の原因が分るはずなんだと言うと、中には「
正
(
まさ
)
に
団栗
(
どんぐり
)
のスタビリティを論じて天体の運動に及ぶ
類
(
たぐ
)
いだね」
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
かゝるものは最も是に
類
(
たぐ
)
ふが故に最も是が心に
適
(
かな
)
ふ、萬物を照らす聖なる焔は最も己に似る物の中に最も強く輝けばなり 七三—七五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そのほか土蔵のなかの
骨董
(
こっとう
)
や
什器
(
じゅうき
)
の
類
(
たぐ
)
ひから宝石類に至るまで、
殆
(
ほとん
)
ど洗ひざらひ姉さまのところへ運び出されたやうな感じでした。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
喉
(
のど
)
の
渇
(
かわ
)
いた人たちがいないというわけでもなかったが、その渇きは
水甕
(
みずがめ
)
よりもむしろ酒びんをほしがるような
類
(
たぐ
)
いのものだった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その上このあたりには昼間でも時とすると
狐狸
(
こり
)
の
類
(
たぐ
)
いが出没すると云われ、その害を
被
(
こうむ
)
った惨めな話が無数に流布されている。
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
フランス魂の幻像——
楯
(
たて
)
をもってる
窈窕
(
ようちょう
)
たる処女、
闇
(
やみ
)
の中に輝く青い眼のアテネ、労働の女神、
類
(
たぐ
)
いまれなる芸術家、または
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
朝廷に
類
(
たぐ
)
い少なき文学者であったところからして、御製の讃等を遊ばす時には、実隆は多く御談合を受けて意見を奏上した。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
起
(
おこ
)
しけるは
怖
(
おそ
)
ろしとも又
類
(
たぐ
)
ひなし寶澤は此事を心中に深く
祕
(
ひ
)
し其時は
然氣
(
さりげ
)
なく感應院へぞ歸りける
偖
(
さて
)
翌
(
よく
)
年は寶澤十二歳なり。
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これこそ
類
(
たぐ
)
い稀れな犯人の
狡智
(
こうち
)
の手段でありまして、この置き残された鈴一つに、歌川一馬先生を自殺の形で殺す時の用意がこもっていたのです
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
文「これは高麗国の亀の甲だというが、
類
(
たぐ
)
い稀なる物……これは名作だ、結構な物、どうしてこれを御所持でございます」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
唯だこの一刹那の意識、
而
(
し
)
かも自ら顧みるに、其は決して空華幻影の
類
(
たぐ
)
ひにあらず。
鏗然
(
かうぜん
)
として理智を絶したる新啓示として直覚せられたるなり。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
蜜
(
みつ
)
、酒、
胡椒
(
こしょう
)
、味の素、ソースの
類
(
たぐ
)
いを巧みに注ぎかけねばならぬところの、ちょっと複雑な操作を必要とするものは、私は美佐子に調理を頼んだ。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
Kは報告の中にまったく新しい
類
(
たぐ
)
いの提案をはさんだが、これはきっと支店長代理に特別な効果があるものと思った。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
類
(
たぐ
)
い
稀
(
まれ
)
なる優雅さと、さらに、その人間的な高さが、リストをしてあらゆる人の「崇敬の的」たらしめたのであろう。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
女は、この
類
(
たぐ
)
いで、この若き獣神が生きとし生けるものの醜悪の底の味いを愛惜し、嘗め潜って来たであろうことを察して、
悪寒
(
おかん
)
のある身慄いをした。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
午前五時といいますと、夜色がやっと明け放れまして
早晨
(
そうしん
)
の
爽気
(
そうき
)
が漂うております。鳥の声が近く聞こえますが、虫などの
類
(
たぐ
)
いはまだ出てまいりません。
あゝ二十年:やっと御下命画を完成した私のよろこび
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
なぜなら、こういう
類
(
たぐ
)
いの問題について後年、筆者みずから銀公の才能がいかに非凡であったか、ということを身にしみて感じた経験があるからである。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ミチは彼女の肉体が素晴らしく均整のとれた美しさと、
類
(
たぐ
)
い
稀
(
ま
)
れな色白であることを充分に承知して居るのだ。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
黒人というものは、こういった
類
(
たぐ
)
いのつまらぬ使いに行くと、とかく偉そうな振りをして、気取った言葉を使うものだが、この男もその例にもれなかった。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
これ皆町の息子親の呼んで当てがう女房を嫌い、
傾城
(
けいせい
)
に
泥
(
なず
)
みて勘当受け、
跡職
(
あとしき
)
を得取らずして
紙子
(
かみこ
)
一重の境界となる
類
(
たぐ
)
い、我身知らずの
性悪
(
しょうわる
)
という者ならずや
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
屁理窟
(
へりくつ
)
ばかりこねて、勤勉な農をダニのように
邪
(
さまた
)
げている——いわゆる駄農の
類
(
たぐ
)
いには違いないようである。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでも彼の顔の特徴は昔と変らず目立つものであった。死人のような顔色。大きい、澄んだ
類
(
たぐ
)
いなく輝く眼。すこし薄く、ひどく蒼いが、非常に美しい線の
唇
(
くちびる
)
。
アッシャー家の崩壊
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
郵便局で出会ったある知合いの婦人に向かって、彼女がこんなことを言ったとかいう
類
(
たぐ
)
いの事柄だった。
可愛い女
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
上代の文芸を点検しても、古人はいつも海上に向かって「その玉もてこ」という
類
(
たぐ
)
いの歌を詠じている。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
お前の話を黙って聞いていると、まるで
狐狸
(
こり
)
の
類
(
たぐ
)
いが一変して
嬋娟
(
せんけん
)
たる美女に
化
(
ば
)
けるのと同じように聞える。まさかお前は、金博士から
妖術
(
ようじゅつ
)
を教わってきたのではあるまい
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
広い意味で伊万里といえば、上は
柿右衛門色鍋島
(
かきえもんいろなべしま
)
の
類
(
たぐ
)
いから下は「くらわんか」や
猪口
(
ちょく
)
に至るまでも包含させる。古作品である場合それらのものはとりどりに美しさがある。
北九州の窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
でもそれは、人がこの話を知り、その絵を見るときに、それを理解するためには、「母親」という二つの文字をその下に書いておきさえすればいいといった
類
(
たぐ
)
いの迷信です。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
鬘
(
かつら
)
ならではと見ゆるまでに
結做
(
ゆひな
)
したる
円髷
(
まるわげ
)
の漆の如きに、
珊瑚
(
さんご
)
の
六分玉
(
ろくぶだま
)
の
後挿
(
うしろざし
)
を点じたれば、更に
白襟
(
しろえり
)
の
冷豔
(
れいえん
)
物の
類
(
たぐ
)
ふべき無く、
貴族鼠
(
きぞくねずみ
)
の
縐高縮緬
(
しぼたかちりめん
)
の
五紋
(
いつつもん
)
なる
単衣
(
ひとへ
)
を
曳
(
ひ
)
きて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
頭をかきむしッたような『パアポロトニク』(
蕨
(
わらび
)
の
類
(
たぐ
)
い)のみごとな
茎
(
くき
)
、しかも
熟
(
つ
)
えすぎた
葡萄
(
ぶどう
)
めく色を帯びたのが、際限もなくもつれからみつして目前に透かして見られた。
武蔵野
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
菫
(
すみれ
)
は相撲取花といひて、花と花とうち違ひ、それを引ききりて首のもげたるよと笑ふなり。
蒲公英
(
たんぽぽ
)
などちひさく黄なる花は総て心行かず、ただゲンゲンの花を
類
(
たぐ
)
ひなき物に思へり。
わが幼時の美感
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
どうせ、素姓のしれぬダイヤなどを持つようではそんな
類
(
たぐ
)
いだろうが、とにかく、なんにもせよ気に入った奴だと、一度打ち込めば飲ませたくなるのが、折竹のような生酔いの常。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
彼の評価は、今日すでに定まっているけれども、彼の文学は、堂々古典の座に加えられながら、しかもなお、生命の永い「小さなもの」の代表として珍重せられる
類
(
たぐ
)
いのものである。
「にんじん」とルナアルについて
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
「光の中を歩め」の中の人々の心持や生活が、
類
(
たぐ
)
いもなく懐しく
慕
(
した
)
わしいものに思われた。自分にもあんな気持にもなれるし、あんな生活も送れないことはないという気がされたのだ。
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
詩は音律を重視すべきであると言って、あべこべに僕を説教してくる
類
(
たぐ
)
いである。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
貴方
(
あなた
)
はな、とそれ、
赫
(
かつ
)
と
成
(
な
)
る。あの
瞼
(
まぶた
)
の
紅
(
くれなゐ
)
と
云
(
い
)
ふものが、
恰
(
あたかも
)
是
(
これ
)
、
醉
(
よ
)
へる
芙蓉
(
ふよう
)
の
如
(
ごと
)
しさ。
自慢
(
じまん
)
ぢやないが、
外國
(
ぐわいこく
)
にも
類
(
たぐ
)
ひあるまい。
新婚當時
(
しんこんたうじ
)
の
含羞
(
はにか
)
んだ
色合
(
いろあひ
)
を
新
(
あたら
)
しく
拜見
(
はいけん
)
などもお
安
(
やす
)
くない
奴
(
やつ
)
。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
所帯道具がふえたじゃないかと笑った人があるが、たとえば僕が一羽の燕であるとすれば、僕にとって七輪や鍋は燕がその巣を造るために口に
銜
(
ふく
)
んでくる泥や
藁稭
(
わらしべ
)
の
類
(
たぐ
)
いに相当するであろう。
落穂拾い
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
懐しさ
類
(
たぐ
)
うべきものもない——
牀几
(
しょうぎ
)
から、腰を上げると立ち上がって、両手を見台の上へつくと、毛をむしられた
鶏
(
とり
)
の首のような細いたるんだ筋だらけの首を、抜けるだけ長く襟から抜いて
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
人にもさる
類
(
たぐ
)
ひはありけりとをかし。鈴虫はふり
出
(
いで
)
てなく声のうつくしければ、物ねたみされて
齢
(
よは
)
ひの短かきなめりと
点頭
(
うなづ
)
かる。松虫も同じことなれど、
名
(
な
)
と
実
(
じつ
)
と伴はねばあやしまるゝぞかし。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
禹が群神を会稽山に集めたとき、防風氏が後れて来たので、禹はこれを殺した、とか、孔子の額が堯に似、くびが堯の時の大理の皐陶に似、腰より下が禹より三寸短い、とかという
類
(
たぐ
)
いである。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
叶
(
かな
)
えんとならば、残りなく円卓の勇士を倒して、われを世に
類
(
たぐ
)
いなき美しき女と名乗り給え、アーサーの養える名高き
鷹
(
たか
)
を獲て吾
許
(
もと
)
に送り届け給えと、男心得たりと腰に帯びたる長き
剣
(
つるぎ
)
に
盟
(
ちか
)
えば
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小賢
(
こざか
)
しき口返答する下郎かな。腹の足しにもならぬ花の種子を蒔きて無用の骨を折らむより
此
(
この
)
間、申し付けし
庫裡
(
くり
)
の流し先を掃除せずや。飯粒、茶粕の
類
(
たぐ
)
ひ淀み
滞
(
とゞこほ
)
りて日盛りの臭き事
一方
(
ひとかた
)
ならず。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もしこれよりも小説を書きて世を渡らんとせば先づ文を属する事を習はざるべからす、迷惑がらるるを目をねぶつてこらへ、人の蔵書を借りて読まざるべからず、その書は如何なる
類
(
たぐ
)
ひかといへば
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
世語りに人やつたへん
類
(
たぐ
)
ひなく
憂
(
う
)
き身をさめぬ夢になしても
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
人生何物の至樂か能く是れに
類
(
たぐ
)
ふべき。
美的生活を論ず
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
この
恐怖
(
おそれ
)
何に
類
(
たぐ
)
へむ。ひとみぎり
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
類
(
たぐ
)
ひなき
外出日和
(
そとでびより
)
や花曇
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
今でいえば科学普及という
類
(
たぐ
)
いであろうが、その先生の話をきいていると、何だか宇宙
開闢
(
かいびゃく
)
以前の夢の方が余計に
聯想
(
れんそう
)
されやすかった。
『西遊記』の夢
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
それに致しましても
此度
(
このたび
)
の兵乱にて、
洛中洛外
(
らくちゅうらくがい
)
の諸家諸院の御文書御群書の
類
(
たぐ
)
いの焼亡いたしましたことは、
夥
(
おびただ
)
しいことでございましたろう。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
まったく兵士の無頼漢ともいうべき
類
(
たぐ
)
いだった。あたかもそれらの護衛兵は、
乞食
(
こじき
)
の卑賤と死刑執行人の権威とを兼ねそなえてるかのようだった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
飲食の喜び、
類
(
たぐ
)
いない幸福、
敬虔
(
けいけん
)
な感激、喜悦の
小躍
(
こおど
)
り! 快い温かさと、その日の疲れと、親しい声の響きとに、身体はうっとりと筋がゆるんでくる。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
類
常用漢字
小4
部首:⾴
18画
“類”を含む語句
衣類
種類
魚類
獸類
親類
人類
類型
生類
書類
類似
比類
縁類
此類
類人猿
爬虫類
類稀
同類
鳥類
着類
肉類
...