“含羞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はにか55.4%
がんしゅう16.9%
はにかみ15.4%
はにかん4.6%
はなじろ3.1%
はじらい1.5%
はぢらひ1.5%
ガンシュウ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尾上おのえてるは、含羞はにかむような笑顔えがおと、しなやかな四肢とを持った気性のつよい娘であった。浅草の或る町の三味線職の長女として生れた。
古典風 (新字新仮名) / 太宰治(著)
逢ったばかりの、あかの他人の男女が、一切の警戒と含羞がんしゅうとポオズを飛び越え、ぼんやり話を交している不思議な瞬間が、この世に、在る。
火の鳥 (新字新仮名) / 太宰治(著)
さういつた関係から、双方無口であり極度の含羞はにかみやでありながら、何か黙照し合ふものがあるつもりで頼母たのもしく思つてゐた。
過去世 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「そやかて、含羞はにかんでいて取んなはらん。……何や、貴方あんたがた、おかしなえ。」
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
含羞はなじろまぶたを染めて、玉のうなじ差俯向さしうつむく、ト見ると、雛鶴ひなづる一羽、松の羽衣掻取かいとって、あけぼのの雲の上なる、うたげに召さるる風情がある。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(一行あき。)私は、いま、取りかえしのつかない事がらを書いている。人は私の含羞はじらい多きむかしの姿をなつかしむ。けれども、君のその嘆声は、いつわりである。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
家郷追放カキョウツイホウ吹雪フブキナカツマトワレ、三人サンニンヒシトイ、サダマラズ、ヨロヨロ彷徨ホウコウ衆人蔑視シュウジンベッシマトタル、誠実セイジツ小心ショウシン含羞ガンシュウ、オノレノヒャクウツクシサ、イチズ、高円寺コウエンジウロウロ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)