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含羞
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がんしゅう
ふりがな文庫
“
含羞
(
がんしゅう
)” の例文
逢ったばかりの、あかの他人の男女が、一切の警戒と
含羞
(
がんしゅう
)
とポオズを飛び越え、ぼんやり話を交している不思議な瞬間が、この世に、在る。
火の鳥
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
すぐ
咬
(
か
)
みつく。犬のまねして、けんけんと啼き狂う。女は女を忘れ、少年は少年の
含羞
(
がんしゅう
)
もなく荒れ
猛
(
たけ
)
ぶ。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は醜く立ちつくし、苦笑でもなかった、
含羞
(
がんしゅう
)
でもなかった、そんな
生
(
なま
)
やさしいものではなかった。
唸
(
うな
)
った。そのまま小さい、きりぎりすに成りたかった。
懶惰の歌留多
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
相剋
(
そうこく
)
の結合は、
含羞
(
がんしゅう
)
の華をひらいた。アグリパイナは、みごもった。ブラゼンバートは、この事実を知って大笑した。他意は無かった。ただ、おかしかったのである。
古典風
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
含羞
(
がんしゅう
)
の火煙が、浅間山のそれのように突如、天をも
焦
(
こ
)
がさむ勢にて噴出し、ために、「なあんてね」の
韜晦
(
とうかい
)
の一語がひょいと顔を出さなければならぬ事態に立ちいたり
狂言の神
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
含羞
(
がんしゅう
)
は、誰でも心得ています。けれども、一切に眼をつぶって、ひと思いに飛び込むところに真実の行為があるのです。できぬとならば、「薄情。」受けよ、これこそは君の冠。
HUMAN LOST
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
夕焼も、生れながらに醜い、
含羞
(
がんしゅう
)
の笑を
以
(
もっ
)
てこの世に現われたのではなかった。
善蔵を思う
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
けれども、そこで降りてみて、いいようだったら、そこで一泊して、それから多少、
迂余曲折
(
うよきょくせつ
)
して、上諏訪のあの宿へ行こう、という、きざな、あさはかな気取りである。
含羞
(
がんしゅう
)
でもあった。
八十八夜
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
自己嫌悪、
含羞
(
がんしゅう
)
、閉口しているのであろう。必ずや神経のデリケエトな人にちがいない。自転車に乗って三鷹の駅前の酒屋へ用達しに来て、酒屋のおかみさんに叱られてまごついている事もある。
男女川と羽左衛門
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
含羞
(
がんしゅう
)
のために死す。そんな文句を思い浮べ、ひとりでくすくす笑った。
悶悶日記
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ゆっくり真紅
含羞
(
がんしゅう
)
の顔をあげて、私の、ずるい、平気な笑顔を見つけて、小娘のような無染の溜息、それでも、「むずかしいのねえ、ありがとう。」とかしこい一言、小声でいうのを忘れなかった。
二十世紀旗手
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
“含羞”の意味
《名詞》
羞じらい。はにかみ。
(出典:Wiktionary)
含
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
羞
常用漢字
中学
部首:⽺
11画
“含羞”で始まる語句
含羞草
含羞性
含羞旋風