“迂余曲折”の読み方と例文
読み方割合
うよきょくせつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小川は、欝蒼たる青葉に眼界を区切られ、迂余曲折うよきょくせつして園の中心へと流れて行く。悪魔の船頭は、ほとんど竿に力を加えずして、舟は流れのままに、静かに進む。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そうしてその人間は、迂余曲折うよきょくせつをきわめたしちめんどうな辞句の間に、やはり人間らしく苦しんだりもがいたりしていた。だから樗牛は、うそつきだったわけでもなんでもない。
樗牛の事 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
けれども、そこで降りてみて、いいようだったら、そこで一泊して、それから多少、迂余曲折うよきょくせつして、上諏訪のあの宿へ行こう、という、きざな、あさはかな気取りである。含羞がんしゅうでもあった。
八十八夜 (新字新仮名) / 太宰治(著)