“相剋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうこく87.2%
あいこく4.3%
さうこく4.3%
あひこく2.1%
ひしめき2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
対立衝突相剋そうこくというのも、作者の主観以外には現象としての本質的な差を認めなくても結果においてたいした差はないようである。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
妻を失った当時、岸本はもう二度と同じような結婚生活を繰返すまいと考えた。両性の相剋あいこくするような家庭は彼を懲りさせた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
谷崎潤一郎氏も谷崎氏自身の中に東西両洋の相剋さうこくを感じてゐる。しかし僕の「西洋の呼び声」と云ふのは或は谷崎氏の「西洋の呼び声」とは多少異つてゐるかも知れない。
懊悩おうのうとしてうきへざらんやうなる彼の容体ようたい幾許いくばくの変も見えざりけれど、その心に水と火の如きものありて相剋あひこくする苦痛は、ますます募りてやまざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
まったく、身も世もないあの烈しい相剋ひしめきのなかで、静かに天鵞絨ビロードのうえを滑ってゆく思考の車があったのだ——それに今まで彼は気づかなかったまでのことである。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)