対立衝突相剋というのも、作者の主観以外には現象としての本質的な差を認めなくても結果においてたいした差はないようである。
政治的には佐幕と勤王、学問的には立原(翠軒)派と藤田(幽谷)派、この二派がつねに相剋し摩擦しつつあるのが水戸の情勢だった。
露骨に云えば、糞尿汲取を増額しなければ、塵芥搬出の方を減額しろということになるので、そこに相剋があったわけである。
死を越えてなお愛する妻と愛と憎しみとの相剋の生活を続けてゆくことこそが、私のごとき人間に、定められたる運命というべきであろう。
“相剋”の意味