“ひしめき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乱響33.3%
喧擾33.3%
相剋33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貫一もこれをりて、余所よそながら過来すぎこくりやに、酒の、物煮る匂頻にほひしきりて、奥よりは絶えず人の通ふ乱響ひしめきしたる、来客などやと覚えつつ、畔柳が詰所なるべき一間ひとまに導かれぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何事や起こりたると、見物は白糸のあとより、どろどろと乱れ出ずる喧擾ひしめきに、くだんの男は振り返りぬ。白糸ははじめてそのおもてを見るを得たり。渠は色白く瀟洒いなせなりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まったく、身も世もないあの烈しい相剋ひしめきのなかで、静かに天鵞絨ビロードのうえを滑ってゆく思考の車があったのだ——それに今まで彼は気づかなかったまでのことである。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)