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含羞
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はにかみ
ふりがな文庫
“
含羞
(
はにかみ
)” の例文
さういつた関係から、双方無口であり極度の
含羞
(
はにかみ
)
やでありながら、何か黙照し合ふものがあるつもりで
頼母
(
たのも
)
しく思つてゐた。
過去世
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
それを聞くと同時に、四郎の顔から、今までの
含羞
(
はにかみ
)
や気弱さが、まるで拭ったように消え去った。彼は、くそ
落付
(
おちつき
)
に落付いて挨拶を
交
(
か
)
わした。
雷
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
こゝで一つの例を挙げれば、日本人は非常に
含羞
(
はにかみ
)
やである、照れ屋である、と私ばかりでなく、多くの人は認めてゐます。
戦争と文化:――力としての文化 第三話
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
和助は彼女が
膳拵
(
ぜんごしら
)
えをすると、こう云って自分の側へ招いた。わるく遠慮するふうもなく、ほのかな
含羞
(
はにかみ
)
をみせながら、おけいはすなおに来て坐った。
追いついた夢
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
みじんも
含羞
(
はにかみ
)
を感じないで、二人の顔が一尺くらいの間隔で、六十秒もそれ以上もとてもいい気持で、そのひとの
瞳
(
ひとみ
)
を見つめて、それからつい微笑んでしまって
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
刺戟
(
しげき
)
の少い田舎の町で
安穏
(
あんのん
)
に暮して行くのには適しているし、定めし本人にも異存はあるまいと極めてかかったのが、案に相違したのであったが、内気で、
含羞
(
はにかみ
)
屋で
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わたしはこの頃、自分の内心の幸福感に自分でおどろき、そのそよぎの活々した波だちに殆ど
含羞
(
はにかみ
)
を覚えるばかりです。それはわたしたちのいとしい、いとしい燈明よね、改めてゆっくり、では。
獄中への手紙:11 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
彼は
牝豹
(
めひょう
)
の前の
兎
(
うさぎ
)
のごとく、葉子を
礼讃
(
らいさん
)
し、屈従していた。処女のような
含羞
(
はにかみ
)
があるかと思うと、不良少年のような
聡慧
(
そうけい
)
さをもっていたが、結局人間的には哀れむべき不具者としか思えなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「深夜の市長」は笑ったが、その笑いは妙な
含羞
(
はにかみ
)
の響きを持っていた。僕の方はすこしも笑うことができなかった。その理由は、誰にも分ってくれるだろう。……
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたくしはまた、「えゝ、来ましたわ」と言って、顔を斜に俯け、女学生風の
含羞
(
はにかみ
)
を見せただけで、直ぐ雪沓を脱ぎかゝりました。先生は葛岡の方はちらりと見ただけで、わたくしの肩に手をかけ
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
“含羞”の意味
《名詞》
羞じらい。はにかみ。
(出典:Wiktionary)
含
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
羞
常用漢字
中学
部首:⽺
11画
“含羞”で始まる語句
含羞草
含羞性
含羞旋風