夏目先生の大きい死にあってから今日は八日目である。私の心は先生の追懐に充ちている。しかし私の乱れた頭はただ一つの糸をも確かに手繰り出すことができない。私は夜ふくるまでここに茫然と火鉢の火を見まもっていた。 昨日私は先生について筆を執る事を約 …
| 著者 | 和辻哲郎 |
| ジャンル | 哲学 > 東洋思想 > 日本思想 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日本文学 |
| 初出 | 「新小説」1917(大正6)年1月臨時号 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約21分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約35分(300文字/分) |