“剔抉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てっけつ75.0%
すっぱぬ12.5%
ていけつ4.2%
てきけつ4.2%
ほぢくり4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし自己剔抉てっけつということも主観の枠の中でされると、枠のひずんだとおりにひずむしかないという意味深い一つの例だと思います。
馬琴が京伝に頼った頃の何十年も昔の内輪咄うちわばなし剔抉すっぱぬいて恩人風を吹かし、人倫とはいい難しとまで京山が罵るのは決して穏やかでない。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
以来芸州の福島正則まさのり、肥後の加藤忠広を始め、駿河大納言するがだいなごん家にいたるまで、仮借かしゃくなく剔抉ていけつし、藩地を召上げ、正則も配流はいる、忠広も流罪るざい、大納言家も、今、御幽閉させて
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、確かにこの事件において、それがあらゆる要素の根柢をなすものに相違なかった。おそらくこの時機に剔抉てきけつを誤ったなら、この厚い壁は、数千度の訊問検討の後にも現われるであろう。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それが不安である。あるきながら考へると、いまさきにはのうちで、野々宮と美禰子が話してゐた談柄だんぺいが近因である。三四郎は此不安の念をる為めに、二人ふたりの談柄を再び剔抉ほぢくり出して見たい気がした。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)