“たぐひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タグヒ
語句割合
75.3%
5.2%
5.2%
比類3.9%
2.6%
匹儔2.6%
1.3%
1.3%
此類1.3%
類型1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われ茉莉まつり素馨そけいの花と而してこの来青花に対すればかならず先考日夜愛読せし所の中華の詩歌楽府がくふ艶史のたぐひを想起せずんばあらざるなり。
来青花 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
この意富多多泥古といふ人を、神の子と知れる所以ゆゑは、上にいへる活玉依いくたまより毘賣、それ顏好かりき。ここに壯夫をとこありて、その形姿かたち威儀よそほひ時にたぐひ無きが、夜半さよなかの時にたちまち來たり。
容儀かたち人の娘とは見えず、妻とも見えず、しかも絢粲きらきらしう装飾よそほひかざれる様は色を売るたぐひにやと疑はれざるにはあらねど、言辞ものごし行儀の端々はしはしおのづからさにもあらざる、畢竟ひつきようこれ何者と
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
見よ/\我が足下の此磧は一〻蓮華の形状かたちをなし居る世に珍しき磧なり、我が眼の前の此砂は一〻五金の光を有てる比類たぐひ稀なる砂なるぞと説き示せば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
終りに忠孝といひ、家系の継紹といふ、此の二事は以て日本国民の特質を代表せしめ得べきが如し。中にも忠君の徳の如きは万国に其のたぐひを見ざる国民の美質なりと言ふを得べし。
国民性と文学 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
いづれか畢竟つひ主人あるじなるべき、かくを留めて吾が主と仰ぎ、賊を認めて吾が子となす、其悔無くばあるべからず、恐れ多けれど聡明匹儔たぐひ無く渡らせたまふに、凡庸も企図せざるの事を敢て為玉ひて
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ゆゑ其著書そのちよしよ餘萬言よまんげん大抵たいていおほむ(二一)寓言ぐうげんなり(二二)漁父ぎよふ盜跖たうせき胠篋きよけふつくり、もつ孔子こうし詆訿ていしし、もつ老子らうし(二三)じゆつあきらかにせり。(二四)畏累虚わいるゐきよ亢桑子かうさうしたぐひみな空語くうごにして事實じじつし。
かくてかれらはこの焔のほとりに來り止まりて叫び、世にたぐひなきまで強き響きを起せり 一三九—一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さて我もしさらに説進まずば、汝はまづ、さらばかの者いかでその此類たぐひを見ずやといはむ 八八—九〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
なぜ日本は世界の類型たぐひのない皇室を持つといふか。なぜ天皇と臣民とが日本だけかく密接なものであるか。なぜ日本の國家が外國の理論では律せられないのか。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)