比類たぐひ)” の例文
是故に汝もしさきにわがいへることゝ此事とを思ひみなば、わがふところの比類たぐひなき智とは王者の深慮ふかきおもんばかりを指すをみむ 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
見よ/\我が足下の此磧は一〻蓮華の形状かたちをなし居る世に珍しき磧なり、我が眼の前の此砂は一〻五金の光を有てる比類たぐひ稀なる砂なるぞと説き示せば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あゝ比類たぐひなき智慧よ、天に地にまた禍ひの世に示す汝のわざは大いなるかな、汝の權威ちからわかち與ふるさまは公平なるかな 一〇—一二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わが導者曰ふ、このたかぶる者比類たぐひなきジョーヴェにさからひておのが能力ちからをためさんとおもへり、此故にこのむくいをうく 九一—九三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼曰ふ、我等遠く物をみること恰も光備はらざる人のごとし、これ比類たぐひなき主宰いまなほ我等の上にかく輝くによりてなり 一〇〇—一〇二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ベアトリーチェは容貌かたちを變へき、思ふに比類たぐひなき威能ちからなやみ給ひし時にも、天かく暗くなりしなるべし 三四—三六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
われ世に比類たぐひなきまで愛の焔に輝きつゝ汝にあらはれ、汝の目の力に勝つとも 一—三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)