“閉塞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へいそく67.9%
とぢふさが7.1%
とじふさ7.1%
ふさ7.1%
つかえ3.6%
とざ3.6%
ふさぎ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その場合に前述の甲型の人間が多いと、階段や非常口が一時に押し寄せる人波のために閉塞へいそくして、大量的殺人現象が発生するのである。
蒸発皿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
確実たしかに、自分には力がある。う丑松は考へるのであつた。しかし其力は内部なかへ/\と閉塞とぢふさがつて了つて、いて出て行く道が解らない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
堅く閉塞とじふさがったような心持を胸の底に持った捨吉は、時には青木に随いてうちの外へ出て見た。どういう人が住んだ跡か、裏の方には僅かばかりのはたけを造った地所もある。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あのフィラリヤって言う寄生虫のために淋巴リンパ管が閉塞ふさがれて、淋巴の欝積うっせきを来した場合だとか、或は又、一寸した傷口から連鎖状球菌の浸入に依って
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
しかし永い間には取外とりはずしも有ると見えて、曾て何かの事ですこしばかり課長殿の御機嫌を損ねた時は、昇はその当坐一両日いちりょうにちの間、胸が閉塞つかえて食事が進まなかッたとかいうが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
園部の家でなおときどき戸を開閉あけたてする音がするばかり、世間一体は非常に静かになった。静かというよりは空気が重く沈んで、すべての物を閉塞とざしてしまったように深更しんこうの感じが強い。
新万葉物語 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
つとめ美名を後世につたへし青砥あをと左衞門尉藤綱ふぢつな公事訴訟等くじそしようとうを聞るゝときは必ず眼を閉塞ふさぎて調べられしとこそ聞えたれ抑々そも/\越前守殿此長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)