閉塞とじふさ)” の例文
堅く閉塞とじふさがったような心持を胸の底に持った捨吉は、時には青木に随いてうちの外へ出て見た。どういう人が住んだ跡か、裏の方には僅かばかりのはたけを造った地所もある。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
折に触れて節子が書きつけたらしい紙のはじには、誰に見せるためでもない女らしい感想めいたきれぎれの言葉が彼女の閉塞とじふさがったような小さな胸から滲出しみだして来ていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)