“滲出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にじみで37.5%
しみだ25.0%
しんしゅつ25.0%
にじみだ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まさに死に墜ちる瞬間の、物凄い形相が、画面からぞわぞわと滲出にじみでて、思わずゾッとしたものが、背筋をはしるほどの出来栄えだった。
魔像 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
折に触れて節子が書きつけたらしい紙のはじには、誰に見せるためでもない女らしい感想めいたきれぎれの言葉が彼女の閉塞とじふさがったような小さな胸から滲出しみだして来ていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
がさっと、何か暗闇のなかで、いたちの駈けるような物音がしても、哨兵しょうへいはすぐ、眼をひからせた。本能的に胃が胃液を滲出しんしゅつするため、その後では、きっと
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
湿うるおいの、無くなった眼、眼瞼まぶたの周囲に、薄暗く滲出にじみだしている死の影、尖った頬骨、太くせり出したこめかみの血管——そんなものが、青磁色の電燈カバーに、気味悪く照し出されていた。
ロボットとベッドの重量 (新字新仮名) / 直木三十五(著)