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さうおう
彼はかうして
極めて
悠長に
手を
動かす
樣でありながら、それでも
傭はれた
先で
其の
日の
扶持はして
貰ふので、
相應な
錢を
獲つゝあるのであつた。
小利口にきび/\と
立𢌞はつて、
朝は
六つ
前から
起きて、
氣輕身輕は
足輕相應、くる/\とよく
働く
上、
早く
江戸の
水に
染みて、
早速情婦を
一つと
云ふ
了簡から
ボートは
善く
漕ぐ、
水練は
遣る、自転車で
乗廻す、
馬も
遣る、学科には
平生苦心せんのであつたが、
善く出来ました、
試験の
成績も
相応に
宜しかつた、
私と来ると
長吉にはもつと身分
相応な
立身の
途がありさうなものだといふ気がした。