“御影”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みかげ74.5%
みえい15.7%
ぎょえい3.9%
ごえい3.9%
すがた2.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
石に不自由せぬ国と見えて、下は御影みかげで敷き詰めた、真中を四尺ばかりの深さに掘り抜いて、豆腐屋とうふやほどな湯槽ゆぶねえる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
銅の雨樋から落ちた水が、御影みかげで畳んだ見事な暗渠あんきょの中にチョロチョロと落ちて行くのを見て、平次は思わず歓声を挙げたのです。
その院宣はついに、西の宮、御影みかげの再起戦でも負け、完膚かんぷなきまで、官軍にたたかれたさいごの日まで、彼の手には入らなかった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは御影みかげ手水鉢ちょうずばちの上に枝を延ばしている木蓮もくれんが、時々白い花を落すのでさえ、あきらかに聞き取れるような静かさだった。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
御影みかげに住んでゐる男が、国元に相応かなり田畑でんばたを持つてゐるので、小作米の揚つたのを汽車で送らせて、御影の家でたくはへてゐるのがある。
母の枕もとの盆の上には、大神宮や氏神うじがみ御札おふだが、柴又しばまた帝釈たいしゃく御影みえいなぞと一しょに、並べ切れないほど並べてある。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かねて御守護の雑司ぞうしか、真紅まっか柘榴ざくろが輝いて燃えて、鬼子母神きしもじん御影みえいが見えたでしゅで、蛸遁たこにげで、岩を吸い
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
文字はこれを読みうる人があって始めて有用になるのだが、それよりもさらに必要だったのは阿弥陀あみださまの御影みえい、ないしは六字の御名号みょうごうである。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「秀頼公のその御書ごしょは、太閤さまの御影みえいと思えとて、大坂城のあるお方より、わざわざ下された物とて、粗末にもならず、かかげてはおきまするが……すでに太閤さまも亡き今日では」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、『君が代』の歌の中に、校長は御影みえいを奉開して、それから勅語を朗読した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
鶴見は、そこに、はからずも、しこげな御影ぎょえいを仰ぎ見たのである。
頭上には高く両陛下の御影ぎょえいを掲げつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
私は母が大切にしてゐる少女時代の記念品——御影ごえいやコンタツや、あるひは母の学生時代の写真などを、秀子と奪ひ合ふやうにしてねだるのだつた。
母たち (新字旧仮名) / 神西清(著)
それですから善女ぜんにょ功徳くどくのために地蔵尊じぞうそん御影ごえいを刷った小紙片しょうしへん両国橋りょうごくばしの上からハラハラと流す、それがケイズの眼球めだまへかぶさるなどという今からは想像も出来ないような穿うがちさえありました位です。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
——それは十一年前、初めて、高氏とここで会ったときに、変らぬちぎりのしるしにと、高氏から彼女へ与えたもので、香苞こうづと折表紙おりびょうしに似た金襴きんらんのうちに畳まれている地蔵菩薩の御影すがただった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)