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相応
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そうおう
ふりがな文庫
“
相応
(
そうおう
)” の例文
旧字:
相應
然し此は先生がトルストイである事を忘れたからの叫びです。誰にでも其人
相応
(
そうおう
)
の生き
様
(
よう
)
があり、また其人相応の死に様があります。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
団さんの説によると一番下は横幅のない
褌町
(
ふんどしまち
)
で、その次は十万石以下の城下町、これには
相応
(
そうおう
)
幅員
(
ふくいん
)
があって、公園は必ず城跡だとある。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その上清は湯の戻りに
髪結
(
かみゆい
)
の所へ回って頭を
拵
(
こしら
)
えるはずだそうであった。閑静な宗助の
活計
(
くらし
)
も、
大晦日
(
おおみそか
)
にはそれ
相応
(
そうおう
)
の事件が寄せて来た。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
信州の何とか云う人が作ったと、聞いた時から、俺の事だ俺の身の上を
咏
(
よ
)
んだのだと、馬鹿
相応
(
そうおう
)
の一つ
憶
(
おぼ
)
えで、ツイ口に出たのでござんす。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
争議起これば、
今日
(
こんにち
)
はこれを
治
(
おさ
)
むるために
相応
(
そうおう
)
の法定機関がある。これによりて
是非曲直
(
ぜひきょくちょく
)
を判断すべく、みだりに腕力を用うることを許さぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
浅草
(
あさくさ
)
の
永住町
(
ながすみちょう
)
に、
信行寺
(
しんぎょうじ
)
と云う寺がありますが、——いえ、大きな寺じゃありません。ただ
日朗上人
(
にちろうしょうにん
)
の御木像があるとか云う、
相応
(
そうおう
)
に
由緒
(
ゆいしょ
)
のある寺だそうです。
捨児
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
わたしにあてがわれた仕事はまだ弱よわしい子どもの力に
相応
(
そうおう
)
したものであった。毎朝しもが消えると、わたしはガラスのフレームを開けなければならなかった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
相応
(
そうおう
)
に
流行
(
はや
)
って、
薬取
(
くすりとり
)
も多いから、
手間取
(
てまど
)
るのが
焦
(
じれ
)
ったさに、始終
行
(
ゆ
)
くので見覚えて、私がその
抽斗
(
ひきだし
)
を抜いて五つも六つも薬局の机に並べて
遣
(
や
)
る、
終
(
しまい
)
には、
先方
(
さき
)
の手を待たないで
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おお、その話は聞いているが、いずれお
上
(
かみ
)
から
相応
(
そうおう
)
なお
代屋敷
(
かえやしき
)
を賜わるであろう」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
可哀
(
かわい
)
そうなエチエンヌも、やっぱり自分の
脚
(
あし
)
相応
(
そうおう
)
に
歩
(
ある
)
いているのです。
調子
(
ちょうし
)
が
揃
(
そろ
)
う
筈
(
はず
)
がありません。エチエンヌは
走
(
はし
)
ります。
息
(
いき
)
を
切
(
き
)
らします。声を出します。それでも
遅
(
おく
)
れてしまいます。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
だまされさえしなければ、今でも
相応
(
そうおう
)
な呉服屋の店を持っていられたのである。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
傍の者が皆な
相応
(
そうおう
)
だと思うたら、辰さんもしいて否とは言わんでしょう
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
するとその中で一けん、
相応
(
そうおう
)
にりっぱな
構
(
かま
)
えをした
家
(
いえ
)
が、ここだけはきねの
音
(
おと
)
もしず、ひっそりかんと
静
(
しず
)
まりかえっていました。
家
(
いえ
)
の中からは、かすかにすすり
泣
(
な
)
きをする
声
(
こえ
)
さえ
聞
(
き
)
こえてきました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
彼の今までいた所は北向きの湿っぽい
臭
(
にお
)
いのする汚い
室
(
へや
)
でした。
食物
(
くいもの
)
も室
相応
(
そうおう
)
に粗末でした。私の家へ引き移った彼は、
幽谷
(
ゆうこく
)
から
喬木
(
きょうぼく
)
に移った趣があったくらいです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女は
相応
(
そうおう
)
に久さんを
可愛
(
かあい
)
がって面倒を見てやったが、無論亭主とは思わなかった。一人前に足らぬ久さんを亭主にもったおかみは、
義弟
(
ぎてい
)
稲次郎の子を二人まで
生
(
う
)
んだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
二人
(
ふたり
)
とも気をきかしてそれとなく道をふさぐ。しかし堀口生は高谷君と細井君の
相応
(
そうおう
)
手ごわいことを知っているから、正三君ばかりつけ廻す。その中に正三君は照彦様の後ろへかくれた。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
然
(
しか
)
るべき門は見えるが、それも場末で、
古土塀
(
ふるどべい
)
、やぶれ
垣
(
がき
)
の、
入曲
(
いりまが
)
つて長く続く
屋敷町
(
やしきまち
)
を、
雨
(
あま
)
もよひの陰気な
暮方
(
くれがた
)
、その県の
令
(
れい
)
に
事
(
つか
)
ふる
相応
(
そうおう
)
の
支那
(
しな
)
の官人が一人、従者を
従
(
したが
)
へて通り
懸
(
かか
)
つた。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
相応
(
そうおう
)
仲間
(
なかま
)
の一員として愛護されて生きてゆかれるだけの組織にはなっている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もう歌うたいの中でいちばんえらい者でいることができなくなると、かれは自分の
偉大
(
いだい
)
な名声に
相応
(
そうおう
)
しない下等な劇場に出て、歌を歌って、だんだん
評判
(
ひょうばん
)
をうすくすることをしませんでした。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
斯上
(
このうえ
)
蛇足
(
だそく
)
を加うる要はないかも知れぬ。然し寄生木によりて一種の縁を将軍夫妻に作った余には、また余
相応
(
そうおう
)
の義務が感ぜられる。此義務は余にとって不快な義務では無い。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そこでわれわれのあとからついて来る
群衆
(
ぐんしゅう
)
の数が
相応
(
そうおう
)
になると、さっそく
演芸
(
えんげい
)
を始めるが、ほんの二、三人気まぐれな
冷
(
ひ
)
やかしのお客だけだとみると、わざわざ足を止める
値打
(
ねう
)
ちもないので
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
とお蔦は昨今は
相応
(
そうおう
)
垢抜
(
あかぬ
)
けたから、ナカナカもって任じている。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「やることは
先方
(
むこう
)
だって
相応
(
そうおう
)
やっているに違いありません」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「いいや、この子の使い道はそこいらが
相応
(
そうおう
)
な
値段
(
ねだん
)
だ」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「
相応
(
そうおう
)
やっている。ところでいつ行こうか?」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「おなぐさみに
相応
(
そうおう
)
した
代
(
だい
)
だけいただきます」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「君は
小才
(
こさい
)
が
相応
(
そうおう
)
利
(
き
)
く」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“相応”の解説
相応(そうおう)とは、つり合っていること即ち相応しい(ふさわしい)ことである。ここでは仏教用語の相応について解説する。
(出典:Wikipedia)
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
応
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“相”で始まる語句
相
相手
相違
相好
相撲
相談
相槌
相貌
相模
相対