“たばこぼん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
煙草盆69.7%
莨盆21.2%
烟草盆7.1%
烟盆1.0%
煙草1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平次は煙草盆たばこぼんを引寄せて落着き、一服煙草をつけました。お勝手の方ではコトコトと女房のお靜がお茶の仕度をしてゐる樣子です。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「そいつぁちっと早いな。怪しいもんだぜ」などと、鶴さんは節の暢々のびのびした白い手をのばして、莨盆たばこぼんを引寄せながら、お島の顔を見あげた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お光はじいと舟に乗って加藤洲かとうすに行って、それから潮来に寄って、用を達して帰りかかって居ると、隣に人待顔ひとまちがおに立派な毛氈もうせん敷いて烟草盆たばこぼん茶盆まで揃えた舟があって
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
さて神使へ烟盆たばこぼん茶吸物膳部をいだし、数献すこんをすゝむ。あらためてむこに盃をあたふ、(三方かはらけ)肴をはさむ、献酬とりやりこんをかぎる、盃ごとに祝義の小うたひをうたふ。ことをはりて神使じんしる。
今二つの目のぬしは七つか八つ位の娘である。無理に上げたようなお煙草たばこぼん盆に、小さい花簪はなかんざしを挿している。
牛鍋 (新字新仮名) / 森鴎外(著)