しげる)” の例文
その間には、小山内薫おさないかおる君、有島生馬いくま君、青木しげる君、田山花袋君、それから柳田国男君を馬場裏の家に迎えた日のことも忘れがたい。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もう、おかあさんにかれている、ちいさいおとうとしげるさんも、あとからついてきた、よしちゃんも、うれしそうなかおつきをして、元気げんきでありました。
僕は兄さんだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
護の子、たすくたかししげるなど、それぞれ、領土を分けて、門戸をもち、総称して、この一門のことを“常陸源氏ひたちげんじ”といい囃している。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外村惣衞とむらそうえと申しておちいさい時分からお附き申した御家来中田千股なかだちまた、老女の喜瀬川きせがわ、お小姓しげるなどが交々こも/″\お薬をあげる、なれどもどっとお悪いのではない、とこの上に坐っておいでゞ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お夏は又何と思つたか、にはかに身を動かして、なゝめしげるに向けた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼の横には堅吉としげるとがもう眠っていた。
少年の死 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
と、ふと私が気づいたころは、あれほど一時大騒ぎした人の名も忘れられて、それが「木下きのしたしげる、木下繁」に変わっていた。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かあさんは、びっくりして、どうかして、ちいさなしげるさんのをごほんからはなさせようとしましたが、なんといってもしげるさんは、はなしませんでした。
僕は兄さんだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
中腰になつてお夏を睨めたしげるは、何と思つたか、犬に襲はれた猫のする樣に、脣を尖らして一聲『フウー』といがんだ。多分平生自分の家として居る場所を、他人に占領された憤怒を洩したのであらう。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
なんにもわからない、ちいさいしげるさんは、ただ、にわとりうごくのをてうれしそうに、きゃっきゃっとよろこんでいました。
僕は兄さんだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
『何處のがんこだ?』『狂人ばかのよ、しげるのよ。』『アノ高沼たかぬま繁狂人しげるばかのが?』『ウムさうよ、高沼の狂人ばかのよ。』『ホー。』『今朝けさの新聞にも書かさつて居だずでや、しげア死んでえごどしたつて。』『ホー。』
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
しげるさん、お遊びなさいな」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何家どこのがんこだ!』『狂人ばかのよ、繁のよ。』『アノ高沼のしげる狂人ばかのが?』『ウムさうよ、高沼の狂人のよ。』『ホー。』『今朝の新聞にも書かさつてだずでヤ、繁ア死んでエごとしたつて。』『ホー。』
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)