“繁昌記”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はんじやうき50.0%
はんじょうき50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いましがた、永代橋えいたいばしわたつたところで、よしとけて、あの、ひとくるまげて織違おりちがふ、さながら繁昌記はんじやうき眞中まんなかへこぼれてて、あまりそのへんのかはりやうに、ぽかんとしてつたときであつた。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
運命は僕を売文の徒にした。若し「泰ちやん」も僕のやうにペンをつてゐたとすれば、「大東京繁昌記はんじやうき」の読者はこの「本所ほんじよ両国りやうごく」よりも或は数等美しい印象記を読んでゐたかも知れない。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
九月十五日に鷲津毅堂は長谷川昆渓を駒込こまごめ吉祥寺門前の幽居に訪い偶然寺門静軒てらかどせいけんの来るに会った。静軒が『江戸繁昌記はんじょうき』の著者たることは言うをたない。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
老紳士はかつて外遊視察の途中、彼の都へ数日滞在したときの見聞を思い出して来て、息子の青年には知らしたくない部分だけは独逸語ドイツごなぞ使って、一二、巴里繁昌記はんじょうきを語った。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)