繁昌記はんじょうき)” の例文
九月十五日に鷲津毅堂は長谷川昆渓を駒込こまごめ吉祥寺門前の幽居に訪い偶然寺門静軒てらかどせいけんの来るに会った。静軒が『江戸繁昌記はんじょうき』の著者たることは言うをたない。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
老紳士はかつて外遊視察の途中、彼の都へ数日滞在したときの見聞を思い出して来て、息子の青年には知らしたくない部分だけは独逸語ドイツごなぞ使って、一二、巴里繁昌記はんじょうきを語った。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)