可憫いぢら)” の例文
と泣声になり掻口説く女房の頭は低く垂れて、髷にさゝれし縫針のめどくはへし一条ひとすぢの糸ゆら/\と振ふにも、千〻に砕くる心の態の知られていとゞ可憫いぢらしきに、眼を瞑ぎ居し十兵衞は
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)