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可憫
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かわい
ふりがな文庫
“
可憫
(
かわい
)” の例文
そういって彼を信頼している人——寂しく年老いてゆくこの
可憫
(
かわい
)
そうな人をば、このまま置き去りにすることが出来るものか。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
これは巌谷さんの所へ言って来たのであるが、先生は、泉も始めて書くのにそれでは
可憫
(
かわい
)
そうだという。慈悲心で黙って書かしてくだすったのであるという。
おばけずきのいわれ少々と処女作
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と叫びながら、
可憫
(
かわい
)
そうな支那兵が逃げ腰になったところで、味方の日本兵が
洪水
(
こうずい
)
のように侵入して来た。
日清戦争異聞:(原田重吉の夢)
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「おれの用を何だと思ってるんだろう。おれは何も悪いことをするんじゃなし、叩き起したっていいじゃないか。奴は何も知らねえんだな、
可憫
(
かわい
)
そうに」
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「騒いだって駄目だよ。
先刻
(
さっき
)
おれが来たときに慌てなければならなかったんだ。お前さんとこの倅はな、
可憫
(
かわい
)
そうに、重い荷馬車を胸に載っけているぜ」
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
医員は何となく
可憫
(
かわい
)
そうになって来た。そして一種の好奇心からか、それとも何か云ってやらねばあんまり無愛想だとでも思ったのか、ふと彼女に問いかけた。
碧眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
それで頼りになるのは子供だけなんでございますから、わたし達は、死んだ赤ん坊が
可憫
(
かわい
)
そうだといっては泣き、生き残った赤ん坊が判らないといっては泣きました
二人の母親
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
そんなことがあるもんですか……よくも云えたものだ……一体何の
怨
(
うら
)
みがあって、わたし達にそんな濡れ衣を着せるんだね……ああ、あの子が
可憫
(
かわい
)
そうだ……わたしは、ど
情状酌量
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
可憫
(
かわい
)
そうに、気が
狂
(
ふ
)
れたか。信心ぶかい
女
(
ひと
)
だったがなア、わからんもんじゃ。一体どうしたんだろう。御覧、自分で自分の顔をこんなに傷だらけにしている。誰か早くお医者を
老嬢と猫
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
こうした秘密を知った以上は、父親と食卓に向き合って、『可愛い倅』と呼びかけ、『
可憫
(
かわい
)
そうなお母さんの思い出』を語る父の言葉をば、どうして顔を赤らめずに聞かれよう。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
乞食は
直
(
じ
)
きにぐったりと疲れてしまった。それに、馬が
可憫
(
かわい
)
そうで
堪
(
たま
)
らなくなった。
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
そりゃ私だって感情というものがありますから、死者を
可憫
(
かわい
)
そうだとは思います。
青蠅
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「それは
可憫
(
かわい
)
そうな。ほんとうにお気の毒だね。それで、どうしても外出がしたいというなら、出かけなさい。風邪を引かんように気をつけてね。明日は帰って来なければいけないよ」
碧眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
これがお前の仕事さ。お前は左手でこの
可憫
(
かわい
)
そうな女の頸を絞めながら、右手で胸にナイフを突き刺したのだ。ここで、その晩の行動をもう一度繰りかえしてみろ。頸の傷痕へお前の指を
青蠅
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
可憫
(
かわい
)
そうに、倅はひどく
沈鬱
(
ふさい
)
でいるようだな。母親の
室
(
へや
)
へ行ったのか、まアうっちゃっておけ……何だか家の様子が変って、おれも急に老けたような気がする。でも倅がいるので大助かりさ。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
彼
(
あれ
)
は
可憫
(
かわい
)
そうに……まだ若いだけに……大そう
狼狽
(
あわ
)
てて、それは大変だ
情状酌量
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
憫
漢検1級
部首:⼼
15画
“可”で始まる語句
可
可笑
可愛
可憐
可哀
可恐
可厭
可怪
可成
可惜