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某
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それ
ふりがな文庫
“
某
(
それ
)” の例文
雨
(
あめ
)
の
日
(
ひ
)
のつれ/″\に、
佛
(
ほとけ
)
、
教
(
をし
)
へてのたまはく、
昔
(
むかし
)
某
(
それ
)
の
國
(
くに
)
に
一婦
(
いつぷ
)
ありて
女
(
ぢよ
)
を
生
(
う
)
めり。
此
(
こ
)
の
婦
(
をんな
)
恰
(
あたか
)
も
弱竹
(
なよたけ
)
の
如
(
ごと
)
くにして、
生
(
うま
)
れし
女
(
むすめ
)
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
し。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
当時の石川成章が何等かの故があつて、
某
(
それ
)
の年某の月日に関氏を称し、又五郎と称し、次で某の年某の月日に元の石川氏に復したと云ふことが知りたい。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
かこち
昨夜
(
ゆうべ
)
も
四日市
(
よつかいち
)
邊
(
へん
)
なる三人の若い者
此處
(
こゝ
)
の
妓樓
(
あそびや
)
某
(
それ
)
に
遊興
(
あがり
)
て夜を
深
(
ふか
)
し
宿
(
いね
)
るに間もなく夜は
白
(
しら
)
みたりと若い者に起され
今朝
(
けさ
)
しもぶつ/\と
呟
(
つぶや
)
きながら
妓樓
(
あそびや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
翌晩われはポツジヨとヱネチア屈指の富人
某
(
それ
)
の家に會せり。こはわが
出納
(
すゐたふ
)
の事を托したる銀行の
主人
(
あるじ
)
なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
『米の飯が嫌ひ……
某
(
それ
)
ア全く不思議だ。
矢張
(
やツぱ
)
り諸君の……銀行に居られる人か?』と誰れかゞ質問した。
一月一日
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
おのが真の女をば却つて心にも懸け居ざるさまにもてあつかひ居たりしが、右の大臣の御子
某
(
それ
)
の少将の、図らずも我が女をば垣間見玉ひて懸想し玉ひしより事起りて
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
打
(
うち
)
うめかれしをお
出入
(
でいり
)
の
槖駝師
(
たくだし
)
某
(
それ
)
なるもの
承
(
うけたま
)
はりて、
拙郎
(
やつがれ
)
が
谷中
(
やなか
)
の
茅屋
(
ぼうおく
)
せき
入
(
い
)
れし
水
(
みづ
)
の
風流
(
みやび
)
やかなるは
無
(
な
)
きものから、
紅塵千丈
(
こうじんせんぢやう
)
の
市中
(
まちなか
)
ならねば
凉
(
すゞ
)
しきかげもすこしはあり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この家は
以前
(
もと
)
土蔵を
毀
(
こわ
)
した跡へ
建
(
たて
)
たのだが、土蔵の
在
(
あっ
)
た頃当時の
住居人
(
すまいにん
)
某
(
それ
)
の
女房
(
にょうぼ
)
が、
良人
(
おっと
)
に非常なる
逆待
(
ぎゃくたい
)
を受け、
嬰児
(
こども
)
を抱いたまま
棟木
(
むなぎ
)
に首を
吊
(
つっ
)
て、非命の最期を遂げた、その恨みが残ったと見えて
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
以上は
某
(
それ
)
の新聞の記事を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
某
(
それ
)
の
夏
(
なつ
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
就
(
つい
)
ては、
某
(
それ
)
の日、あたかも黄道
吉辰
(
きっしん
)
なれば、揃って
方々
(
かたがた
)
を婿君にお迎え申すと云う。汗冷たくして独りずつ夢さむ。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
某
(
それ
)
の年の
大晦
(
おほつごもり
)
に常三郎の心疾が
作
(
おこ
)
つて、母益は慰撫のために琴を弾じて
夜闌
(
やらん
)
に及んだことさへあるさうである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
猶太の翁ハノホは西班牙に旅せしころ、彼親達を識りつれば、孤兒を引き取りて養へりしに、故郷なる
某
(
それ
)
の貴婦人あはれがりて迎へ歸り、音樂の師に就きて學ばしめき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
以て
願
(
ねが
)
ふべき
筈
(
はず
)
なり
夫
(
それ
)
に
然樣
(
さやう
)
の事もなく
夫故
(
それゆゑ
)
暇
(
いとま
)
は出し申さずと
云放
(
いひはな
)
しければ大岡殿
某
(
それ
)
は何を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いと
恥
(
はづ
)
かしうて
是
(
こ
)
れ
習
(
なら
)
ひ
得
(
え
)
ざらんほどはと
家
(
いへ
)
に
近
(
ちか
)
き
某
(
それ
)
の
社
(
やしろ
)
に
日参
(
につさん
)
といふ
事
(
こと
)
をなしける、
思
(
おも
)
へば
夫
(
そ
)
れも
昔
(
むか
)
し
成
(
なり
)
けり、をしへし
人
(
ひと
)
は
苔
(
こけ
)
の
下
(
した
)
になりて
習
(
なら
)
ひとりし
身
(
み
)
は
大方
(
おほかた
)
もの
忘
(
わす
)
れしつ
雨の夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
某
(
それ
)
の年に此井の
畔
(
ほとり
)
に
夜々
(
よな/\
)
怪物
(
ばけもの
)
が出ると云ふ噂が立つた。或晩柏軒が多紀
茝庭
(
さいてい
)
の家から帰り掛かると、山伏井戸の畔で一人の男が道連になつた。そして柏軒に
詞
(
ことば
)
を掛けた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
しかれども予は予が
画師
(
えし
)
たるを利器として、ともかくも口実を設けつつ、予と兄弟もただならざる医学士高峰をしいて、
某
(
それ
)
の日東京府下の
一
(
ある
)
病院において、
渠
(
かれ
)
が
刀
(
とう
)
を下すべき
外科室
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
市長
(
ボデスタ
)
の姪あり、此席にありとさゝやきしが、
會〻
(
たま/\
)
婦人數人と老いたる貴族
某
(
それ
)
との坐客を代表して、我に再演を請ひたりしが爲めに、われは友と多く語を交ふること能はざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
微笑
(
びせう
)
を
含
(
ふく
)
みて
讀
(
よ
)
みもてゆく、
心
(
こゝろ
)
は
大瀧
(
おほだき
)
にあたりて
濁世
(
じよくせ
)
の
垢
(
あか
)
を
流
(
なが
)
さんとせし、
某
(
それ
)
の
上人
(
しやうにん
)
がためしにも
同
(
おな
)
じく、
戀人
(
こひゞと
)
が
涙
(
なみだ
)
の
文字
(
もじ
)
は
幾筋
(
いくすぢ
)
の
瀧
(
たき
)
の
迸
(
ほとばし
)
りにも
似
(
に
)
て、
失
(
うしな
)
はん
心弱
(
こゝろよわ
)
き
女子
(
をなご
)
ならば。
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見物ながら我が
流儀
(
りうぎ
)
をも弘めんと思ふなり然りと雖も
某
(
それ
)
がし萬一病氣の時は
何國
(
いづく
)
に
居
(
をる
)
とも早速飛脚を以て知する間其節は
迅速
(
すみやか
)
に來りて
呉
(
くれ
)
よ是のみ我等が
頼
(
たの
)
みなりと申ければ半四郎は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いと恥かしうて、これ習ひ得ざらんほどはと、家に近き
某
(
それ
)
の
社
(
やしろ
)
に
日参
(
につさん
)
といふ事をなしける、思へばそれも昔しなりけり。をしへし人は
苔
(
こけ
)
の下になりて、習ひとりし身は
大方
(
おほかた
)
もの忘れしつ。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
就
(
つい
)
ては、
某
(
それ
)
の
日
(
ひ
)
、
恰
(
あだか
)
も
黄道吉辰
(
くわうだうきつしん
)
なれば、
揃
(
そろ
)
つて
方々
(
かた/″\
)
を
婿君
(
むこぎみ
)
にお
迎
(
むか
)
へ
申
(
まを
)
すと
云
(
い
)
ふ。
汗
(
あせ
)
冷
(
つめ
)
たくして
独
(
ひと
)
りづゝ
夢
(
ゆめ
)
さむ。
明
(
あ
)
くるを
待
(
ま
)
ちて、
相見
(
あひみ
)
て
口
(
くち
)
を
合
(
あ
)
はするに、
三人
(
さんにん
)
符
(
ふ
)
を
同
(
おな
)
じうして
聊
(
いさゝか
)
も
異
(
こと
)
なる
事
(
こと
)
なし。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
某
(
それ
)
の年の元日に佐竹は山内へ廻礼に来て、庭に立っていた五百の手を
摻
(
と
)
ろうとすると、五百はその手を強く引いて放した。佐竹は庭の池に
墜
(
お
)
ちた。山内では佐竹に栄次郎の衣服を
著
(
き
)
せて帰した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
何處
(
いづこ
)
の
野山
(
のやま
)
は
如何
(
いか
)
にひろく、
某
(
それ
)
の
海
(
うみ
)
には
名
(
な
)
のつけ
樣
(
やう
)
もなき
大魚
(
たいぎよ
)
ありて、
鰭
(
ひれ
)
を
動
(
うご
)
かせば
波
(
なみ
)
のあがること
幾千丈
(
いくせんぢやう
)
、
夫
(
そ
)
れが
又
(
また
)
鳥
(
とり
)
に
化
(
け
)
してと、
珍
(
めづ
)
らしきこと
怪
(
あや
)
しきこと
取
(
とり
)
とめなく
詰
(
つま
)
らなきことを
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「お、お、
周南
(
しうなん
)
よ、
汝
(
なんぢ
)
、
某
(
それ
)
の
月
(
つき
)
の
某
(
それ
)
の
日
(
ひ
)
を
以
(
もつ
)
て
當
(
まさ
)
に
死
(
し
)
ぬべきぞ。」
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
師走
(
しはす
)
の
月
(
つき
)
は
世間
(
せけん
)
一
躰
(
たい
)
物
(
もの
)
せわしき
中
(
なか
)
を、こと
更
(
さら
)
に
選
(
ゑ
)
らみて
綾羅
(
きら
)
をかざり、
一昨日
(
おとゝひ
)
出
(
で
)
そろひしと
聞
(
き
)
く
某
(
それ
)
の
芝居
(
しばゐ
)
、
狂言
(
けうげん
)
も
折
(
をり
)
から
面白
(
おもしろ
)
き
新物
(
しんもの
)
の、これを
見
(
み
)
のがしてはと
娘共
(
むすめども
)
の
騷
(
さわ
)
ぐに、
見物
(
けんぶつ
)
は十五日
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
師走の月は世間
一躰
(
いつたい
)
物せわしき中を、こと更に選らみて
綾羅
(
きら
)
をかざり、
一昨日
(
おととひ
)
出そろひしと聞く
某
(
それ
)
の芝居、狂言も折から面白き
新物
(
しんもの
)
の、これを見のがしてはと娘共の騒ぐに、見物は十五日
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
雨
(
あめ
)
はふれど
雪
(
ゆき
)
は
降
(
ふ
)
れど
其處
(
そこ
)
に
轅棒
(
かぢぼう
)
おろさぬ
事
(
こと
)
なしと
口
(
くち
)
さがなき
車夫
(
しやふ
)
の
誰
(
た
)
れに申せしやら、
某
(
それ
)
から
某
(
それ
)
と
傳
(
つた
)
はりて
想像
(
さうぞう
)
のかたまりは
影
(
かげ
)
となり
形
(
かたち
)
となり
種々
(
さま/″\
)
の
噂
(
うわさ
)
となり、
人
(
ひと
)
知
(
し
)
れず
氣
(
き
)
をもみ
給
(
たま
)
ふ
御方
(
おんかた
)
もありし
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
とて、微笑を含みて読みもてゆく、心は
大滝
(
おほだき
)
にあたりて
濁世
(
だくせ
)
の
垢
(
あか
)
を流さんとせし、
某
(
それ
)
の上人がためしにも同じく、恋人が涙の
文字
(
もんじ
)
は
幾筋
(
いくすぢ
)
の滝のほとばしりにも似て、気や失なはん、心弱き
女子
(
をなご
)
ならば。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
又
(
また
)
逢
(
あ
)
ふ
場所
(
ばしよ
)
は
某
(
それ
)
の
辻
(
つじ
)
某
(
それ
)
の
處
(
ところ
)
に
待給
(
まちたま
)
へ
必
(
かな
)
らずよと
契
(
ちぎ
)
りて
別
(
わか
)
れし
其夜
(
そのよ
)
のこと
誰
(
た
)
れ
知
(
し
)
るべきならねば
心安
(
こゝろやす
)
けれど
心安
(
こゝろやす
)
からぬは
松澤
(
まつざは
)
が
今
(
いま
)
の
境涯
(
きやうがい
)
あらましは
察
(
さつ
)
しても
居
(
ゐ
)
たものゝそれ
程
(
ほど
)
までとは
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らざりしが
其御難儀
(
そのごなんぎ
)
も
誰
(
たれ
)
がせし
業
(
わざ
)
ならず
勿躰
(
もつたい
)
なけれど
我
(
わ
)
が
親
(
おや
)
うらみなり
聞
(
き
)
かれぬまでも
諫
(
いさ
)
めて
見
(
み
)
んか
否
(
いな
)
父
(
ちゝ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
某
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“某”を含む語句
誰某
何某
某々
某君
某氏
某寺
某町
某日
某夜
某人
某方
某家
某所
某甲
某国
某屋
何某殿
某処
某女
某村
...