“轅棒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かぢぼう62.5%
かじぼう18.8%
かじ6.3%
かぢ6.3%
ながえぼう6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何が楽しみに轅棒かぢぼうをにぎつて、何が望みに牛馬うしうまの真似をする、ぜにを貰へたら嬉しいか、酒が呑まれたら愉快なか、考へれば何もかも悉皆しつかい厭やで
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
跡は両側の子供が又続々ぞろぞろと動き出し、四辺あたりが大黒帽に飛白かすり衣服きもの紛々ごたごたとなる中で、私一人は佇立たちどまったまま、茫然として轅棒かじぼうの先で子供の波を押分けて行くように見える車の影を見送っていた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
轅棒かじで、あのおおき巻斑まきふのあるつのを分けたのであるから。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
轅棒かぢをトンとろされても、あの東京とうきやう式台しきだいひく下駄げたではられない。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「由」が轅棒ながえぼうを上げて走り出すと、いつの間にか皆のうしろに来て居た老犬のくまが、わん、わん、吠えてあとを追った。俥の背にくまの姿が横にひしゃげて、ちんちくりんに写った。
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)