轅棒かぢぼう)” の例文
何が楽しみに轅棒かぢぼうをにぎつて、何が望みに牛馬うしうまの真似をする、ぜにを貰へたら嬉しいか、酒が呑まれたら愉快なか、考へれば何もかも悉皆しつかい厭やで
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
軒の低い呉服屋や荒物屋などの竝んだ商家の通りを過ぎて俥が棧橋の手前の切符賣場にやつと轅棒かぢぼうを下すと、ぽうと笛を吹いて汽船の姿が近くの水の上に見えた。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
表に人のくるけはひがして、がたりと轅棒かぢぼうの下りた音がした。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
なにたのしみに轅棒かぢぼうをにぎつて、なにのぞみに牛馬うしうま眞似まねをする、ぜにもらへたらうれしいか、さけまれたら愉快ゆくわいなか、かんがへればなに悉皆しつかいやで
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
表に人のくるけはひがして、がたりと轅棒かぢぼうの下りた音がした。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
さぞ不意でお驚きなさりましたろう、車を挽くと言ふも名ばかり、何が樂しみに轅棒かぢぼうをにぎつて、何が望みに牛馬の眞似をする、錢が貰へたら嬉しいか、酒が呑まれたら愉快なか
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さりとはをかしく罪の無き子なり、貧なれや阿波ちゞみの筒袖、己れは揃ひが間に合はなんだと知らぬ友には言ふぞかし、我れを頭に六人の子供を、養ふ親も轅棒かぢぼうにすがる身なり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さりとはをかしく罪の無き子なり、貧なれや阿波あわちぢみの筒袖つつそで、己れは揃ひが間に合はなんだと知らぬ友には言ふぞかし、我れをかしらに六人の子供を、養ふ親も轅棒かぢぼうにすがる身なり
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さりとはをかしくつみなり、ひんなれや阿波あわちゞみの筒袖つゝそでれはそろひがはなんだとらぬともにはふぞかし、れをかしらに六にん子供こどもを、やしおや轅棒かぢぼうにすがるなり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あめはふれどゆきれど其處そこ轅棒かぢぼうおろさぬことなしとくちさがなき車夫しやふれに申せしやら、それからそれつたはりて想像さうぞうのかたまりはかげとなりかたちとなり種々さま/″\うわさとなり、ひとれずをもみたま御方おんかたもありし
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)