“かじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
33.7%
14.6%
13.4%
鍛冶10.3%
4.5%
4.3%
加持3.7%
火事2.4%
1.9%
1.9%
1.0%
1.0%
0.6%
夏時0.5%
0.5%
0.5%
0.3%
家事0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
花時0.3%
0.3%
舵機0.2%
0.2%
佳児0.2%
加治0.2%
卦辞0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
家慈0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
箇寺0.2%
0.2%
舵丰0.2%
0.2%
轅棒0.2%
鍜冶0.2%
𪘂0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女の好きな国文の素養があって、歌や韻文も上手じょうずなら芝居や音楽をもかじっていて、初対面のものを煙に巻く博覧の才弁を持っていた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
将来性も十分にあるし、同じ乗るなら、こういう親船に乗って新時代のうしおへ、生涯のかじを向けてゆくことこそ賢明だと考えていた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ある冬の日の暮、保吉やすきち薄汚うすぎたないレストランの二階に脂臭あぶらくさい焼パンをかじっていた。彼のテエブルの前にあるのは亀裂ひびの入った白壁しらかべだった。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
丁度ちようどイタリーの南方なんぱうリパリ群島中ぐんとうちゆう一火山島いちかざんとうたるヴルカーノとうをローマの鍛冶かじかみたるヴルカーノの工場こうじようかんがへたのと同樣どうようである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
かずきの外へ躍出おどりいでて、虚空こくうへさっと撞木しゅもくかじうずまいた風に乗って、はかまくるいが火焔ほのおのようにひるがえったのを、よくも見ないで
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「松本ではおかじどのがご病気だそうで、おまえにひとめ会いたいから四五日のつもりで来て呉れるようにと、お使いの者が来られたのだ」
日本婦道記:糸車 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
覚念坊かくねんぼうの蛇除のお加持かじは、たいへんにいやちこだというので、さっそく迎えて加持をさせたところ、これは、金井の蛇塚の蛇姫様へびひめさまを殺した祟りで
顎十郎捕物帳:15 日高川 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
火事かじときには防火樹ぼうかじゆとして非常ひじようやくいへかずにみ、ときにはひといのちすらすくはれることがあることもわすれてはなりません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
小「これは有難う、歩くと喉が渇くからたもとへ入れてかじりながらきます、この風呂敷は大きいから大丈夫、宜うございます」
私も少しは漢方医の事は聞きかじって居るものですから、それでまあどうにか自分の知って居る範囲内で薬を盛ってやりますと不思議に病人が治るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
と、何処でかキャンキャンと二声三声犬の啼声がする……きっと耳を引立ひったって見たが、もう其切それきりで聞えない。隣町あたりでかじけたような物売の声がする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
車夫はき入れず——あるいは聞えなかったかもしれぬ——かじを下におろし、その老女をいたわりたすけ起し、身体からだを支えながら彼女に訊いた。
些細な事件 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「誰も気がつかなかったそうですよ、船頭は舫っている時でも気が張っているから、や、かじの音を聞き逃すはずはないと言いますよ」
 夏時かじ白木の弓に弦を張ればにかわげるとて秋冷の候を待ちてするなり。故に秋風やと置けり。されどもそればかりにては理屈の句にて些の趣味なし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ヒロの舟とかじ、並びにかの犬化して山と石になり、その島に現存すというのだ(一八七二年ライプチヒ版ワイツおよびゲルラントの『未開民史』六巻二九〇頁)
みことを仰ぎ待ちつる間に、已にあまたの年を經て、姿體かほかたちやさかかじけてあれば、更に恃むところなし。
元正げんしょう天皇、養老七年夏五月芳野離宮に行幸あった時、従駕の笠金村かさのかなむらが作った長歌の反歌である。「白木綿」はたえかじ(穀桑楮)の皮から作った白布、その白木綿しらゆうの如くに水の流れ落つる状態である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
よく重役じゅうやくが、しや、家事かじ雑役ざつえきなどに、社員しゃいん使用しようすることがありますが、あには、けっしていかなかったばかりでなく、そんなひまがあるときは、映画えいがたり
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かじけたる花し散るなと茱萸ぐみ折りて 不玉ふぎょく
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かじを引き舟をぐっと進める音のやうに、火の矢が唸り飛ぶやうに、人々が叫びどたんばたんするやうに、兜にやいばが鳴るやうに、殺されたものが海中にぶち落ちる音のやうに響きました。
父八雲を語る (新字新仮名) / 稲垣巌(著)
かじの音ゆるく太しや行々子ぎょうぎょうし
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
花時濹上佳 〔花時かじ 濹上ぼくじょう
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
味噌みそこしげてはしたのおあしにぎつて米屋こめやかどまではうれしくけつけたれど、かへりにはさむさのにしみてあしかじかみたれば五六軒ごろくけんへだてし溝板どぶいたうへこほりにすべり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
モッフはやがて真先に甲板へ駆けあがって、舵機かじについた。何しろ危険なので、ガルール等もそれぞれ出来るだけの働きをしなければならなかった。
モッフは、その一人に舵機かじを渡しながら、おっかぶせるようにくりかえしたので、やっと納得したらしかった。
味噌こし下げてはしたのおあしを手に握つて米屋のかどまでは嬉しく駆けつけたれど、帰りには寒さの身にしみて手も足もかじかみたれば五六軒隔てし溝板どぶいたの上の氷にすべり
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「飽浦といえば、加治かじ源太左衛門をさしてのことか」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて卦面けめんに現われたるは、かくの通り『風天小畜ふうてんしょうちく』とござる、卦辞かじには『密雲雨ふらず我れ西郊さいこうよりす』
怖々こわ/″\四辺あたりを見ると、瓜番小屋に人もいない様だから、まアい塩梅と腹がってたまらぬから真桑瓜を食しましたが、庖丁がないから皮ごとかじり、空腹だから続けて五個いつつばかり
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
気象学会より寄贈せられたる鑵詰をかじりてうえしのぎ、また寒気次第に凜冽りんれつを加うるといえども、器具散乱して寝具を伸ぶべき余地なく、かつ隔時観測を為しつつあるを以て、睡眠のすきを得ず
たぶんコーヒー沸しの熱にでもあたためられてかえったのであろうが、その虫が板をカリカリかじって出ようとしているのは数週間前から聞かれていた。
弘独リ走ツテ帰リ泣イテ家慈かじニ訴フ。家慈嗚咽おえつシテこたヘズ。はじメテ十歳家慈ニ従ツテ吉田ニ至ル。とも函嶺はこねユ。まさニ春寒シ。山雨衣袂いべいしたたル。つまずキカツたおルコトシバ/\ナリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
昼間、子供達が板を尻に当てて棒でかじをとりながら、行列して滑る有様を信子が話していたが、その切り通し坂はその傾斜の地続きになっていた。そこは滑石を塗ったように気味悪く光っていた。
雪後 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
みんなに見つかると悪いから乃公は自分の室へ駆け上がった。三時までは戸棚の中にでもかくれようかと考えていたら、お島が入って来た。乃公は突然いきなりかじり付いた。婦人おんなと喧嘩する時にはを引張るに限る。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
さすはかじなき藻刈船もがりぶね
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
やがて道人は壇の上に坐ってかじを書いて焼いた。と、三四人の武士がどこからともなしにやって来た。皆きいろな頭巾ずきんかぶって、よろいを着、にしき直衣なおしを着けて、手に手に長いほこを持っていた。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「一箇寺かじの住職ぢやないから、食ふためには托鉢もやるでせう。深川の遠い親類に泊つたとわかつちや、三輪の親分でも縛つて置くわけに行きませんよ。飛んだつらの皮で」
ボートのかじを返して燈台とうだいの方へいだが、霧はいよいよ深くなり、海はますます暗くなり、ともすれば暗礁に乗り上げそうであった。
おさなき灯台守 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
私たちはジョホール河のベンゲラン岬から、馬来人マレイじん舵丰かじを執り、乗客も土人ばかりのあやしいまで老い朽ちた発動機船に乗った。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
もどかど歌川うたがわかじを着けさせ俊雄が受けたる酒盃さかずきを小春にがせておむつまじいとおくびよりやすい世辞この手とこの手とこう合わせて相生あいおいの松ソレと突きやったる出雲殿いずもどのの代理心得、間
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
轅棒かじで、あのおおき巻斑まきふのあるつのを分けたのであるから。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茶微塵ちゃみじん松坂縞まつざかじま広袖ひろそで厚綿あつわたの入った八丈木綿の半纒を着て、目鏡めがねをかけ、行灯あんどんの前で其の頃鍜冶かじの名人と呼ばれました神田の地蔵橋の國廣くにひろの打ったのみと、浅草田圃の吉廣よしひろ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
林檎の皮ごとぼりぼり𪘂かじり歩いている女学生も交じっていた。
ベルリン大学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)