トップ
>
囓
>
かじ
ふりがな文庫
“
囓
(
かじ
)” の例文
最も甚しいのは親の
脛
(
すね
)
を
囓
(
かじ
)
っている学生や部屋住の身分で畳付の駒下駄を足の先へ
突
(
つっ
)
かけて歩くような不所存者もあります。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
私も少しは漢方医の事は聞き
囓
(
かじ
)
って居るものですから、それでまあどうにか自分の知って居る範囲内で薬を盛ってやりますと不思議に病人が治るです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
作ってるんじゃないか。しかしどんな時代でも、農民は土に
囓
(
かじ
)
りついてさえいれば食いっぱぐれはない。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そんな
間
(
なか
)
に育ちながら、成斎は野良仕事を助けようとはしないで、日がな一日青表紙に
囓
(
かじ
)
りついてゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
実際、物の役にも、何んにも立たないんだから——附人に斬られてしまうか、吉良の小者と、
囓
(
かじ
)
りっこをして、鼻の頭でも、食いちぎられるか?——下郎は、下郎らしく——
寺坂吉右衛門の逃亡
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
▼ もっと見る
ひとついきなり
囓
(
かじ
)
りついてどのくらい俺が苦しめられているか思い知らしてやろうかしらん
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
鼠がさつきからがり/\と、どこかそこらの天井の中で何をか
囓
(
かじ
)
つてゐるのが気になる。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
それまでは、素振りにも見せなかつたお才が、ある日、私が物置の片付けをして居ると、用事があつて物置へ來たお才が、いきなり私に
囓
(
かじ
)
り付いて氣でも違つたやうに泣くのです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いくらか
囓
(
かじ
)
った柔道と、草角力の大関までのぼったことのある、四十八手の裏表と——悲しみに似た、いいようもない憤りに駆りたてられて、金五郎は、ぶっつかる敵を、片はしから
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
田舎でがらにもない皇学を
囓
(
かじ
)
ったり、また、それを、
流行
(
はやり
)
ものの、勤王運動とやらの実行に移そうとして、
八州
(
はっしゅう
)
に
嗅
(
か
)
ぎつけられ、それで、ご当家の、平岡円四郎殿へ、縁故をもって
縋
(
すが
)
って
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜も
更
(
ふ
)
けて来るにつれ、寝苦しく物に襲われるようで、戸棚を
囓
(
かじ
)
る鼠も怖しく、遠い人の叫とも寂しい水車の音とも
判
(
つ
)
かぬ冬の夜の声に身の毛が
弥立
(
よだ
)
ちまして、一旦吹消した豆
洋燈
(
ランプ
)
を点けて
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
菊池容斎は
寺納豆
(
てらなつとう
)
、藤田東湖は訥庵と同じやうに鰻の蒲焼、森
春濤
(
しゆんとう
)
は
蚕豆
(
そらまめ
)
、
生方鼎斎
(
うぶかたていさい
)
はとろゝ汁、
椿椿山
(
つばきちんざん
)
は
猪肉
(
やまくぢら
)
、藤森弘庵は鼠のやうに
生米
(
なまごめ
)
を
囓
(
かじ
)
るのが好きで好きで溜らぬらしかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
親爺というものは、その
脛
(
すね
)
を
囓
(
かじ
)
られていても感じないし
死までを語る
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
弟の八十三郎が、時々、外から何か聞き
囓
(
かじ
)
って来ては
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
囓
漢検1級
部首:⼝
24画
“囓”を含む語句
囓切
囓付
囓合