“かじか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
河鹿52.5%
26.3%
10.0%
亀縮3.8%
2.5%
1.3%
亀屈1.3%
亀手1.3%
錦襖子1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
フンドシ一つではとんと河鹿かじかが思案にくれてゐるやうで、亡者が墓から出てきたばかりのやうに土の上にションボリ坐つてゐる。
母の上京 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
かじかとはやも水温の高低によって味と骨の硬軟に密接な関係を持っている。殊に鰍は水温の低い川に棲むものほど脂肪が濃く、骨がやわらかである。
水と骨 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
『いや、もう屋外そとは寒いの寒くないのツて、手も何もかじかんで了ふ——今夜のやうに酷烈きびしいことは今歳ことしになつて始めてだ。どうだ、君、是通りだ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「うむ、馬を小舎こやに繋いで置いたから、急いで牡蠣を一ますやつてくれ。」フランクリンはかう言つて、亀縮かじかむだ掌面てのひらおとがひを撫でまはした。
かじかめる手上げて人を打たんとす
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
あらため見れば、鈎※はりすおもり、綸など、みだれに紊れ、処々に泥土さへ着きて、前回の出遊に、雪交りの急雨にひ、手の指かじかみて自由利かず、其のまゝ引きくるめ、這々ほうほうの体にて戻りし時の
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
そのことがまたかえって満座を餓鬼の饗宴染みて見せる。一つは客たちの食品に対する食べ方が亀屈かじかんで、何か秘密な食品に噛みつくといった様子があるせいかも知れない。
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
矢ッ張り寒い所為で、世間一統、亀手かじかんで居るんだナと思う。今夜は後席に、重友しげとも神崎與五郎かんざきよごろうの一席、之で埋合せがつくから好い……
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
二十八日、清澄の谷に錦襖子かじかを採りてよめる歌八首のうち
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)