“きしゅ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
帰趣25.0%
機首16.7%
亀手8.3%
旗手8.3%
気腫8.3%
稀種8.3%
貴手8.3%
騎手8.3%
鬼手8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうしてこの帰趣きしゅなくしては、工藝の美は花を開かないであろう。「多」に活きることに、工藝の全き存在があるのである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
なるほど、ヤヨイ号は、かたい雪の斜面しゃめんに、ななめにかしいだまま、腹ばいになっているのであった。左のつばさが、根もとから、もぎとられている。機首きしゅは雪の中につっこんでいた。
氷河期の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかしそのおかげでわれわれは機械を動かし汽車を走らせなどすることを得る、この意味において、夏日は流汗し冬日は亀手きしゅして勤苦きんく労働にえきしつつある多数の貧乏人は
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
いわゆる夏日は流汗し冬日は亀手きしゅするていの百姓の娘が美顔料など買って行く愚かさもさることながら、私はかかる貧乏人の無知なる女を相手に高価なぜいたく品を売り付けて金もうけすることも
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
すでに儀仗ぎじょう旗手きしゅもできあがり、献納燈籠どうろうを入れた螺鈿らでんの塗り箱をかつぐ仕丁じちょうの役割もすべてきまる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「輝虎、たい短小にして左脛ひだりすね気腫きしゅあり、攣筋れんきんなり」
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
という評判を得、邸内はまたたくうちに、天下の稀種きしゅを入れた鶉籠うずらかごやら黄金やしろがねの鳥籠で足のふみばもなくなったなどという話もある。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もとより、もとめる時からこの秀吉には用のないしな、いつかそこもとの手へ返してあげたいと念じていたのじゃ、どうぞ、あらためて貴手きしゅへお受け取り願いたい
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第四コーナーまで後方の馬ごみに包まれて、黒地に白い銭形紋ぜにがたもんらしの騎手きしゅの服も見えず、その馬に投票していた少数の者もほとんどあきらめかけていたような馬が
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
立派な精神ではないか、立派な覚悟ではないか、近藤の鬼手きしゅに泣かないものも、この詩には泣くよ、泣かざるを得ないよ。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)