夏時かじ)” の例文
而して駒ヶ嶽登臨の客は多くこの地よりするを以て、夏時かじ白衣はくい行者ぎやうじや陸續としてくびすを接し、旅亭は人を以てうづめらるゝと聞く。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
 夏時かじ白木の弓に弦を張ればにかわげるとて秋冷の候を待ちてするなり。故に秋風やと置けり。されどもそればかりにては理屈の句にて些の趣味なし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
続いて又一は出征し、同秋に至り病馬多く、有数の馬匹を斃したり。為に予は一時病む事あるも、さいわい復常ふくじょうせり。又一は三十九年五月帰塲きじょうせり。予は三十七年迄は夏時かじのみ牧塲に在るのみ。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)